第1話

夏休みまで後3日と迫ったある朝、3年3組担任の前田良好まえだりょうこ先生に補修組5人の生徒が職員室のとなりにある会議室に呼び出された。

「皆さんに夏休み補修を受けていただく為に今日は呼び出しました。」

そんなことをいいながら、補修についてのプリンとを各生徒に配り始めた。

「小早川君の姿が見えないけど知ってる人はいますか?」と聞かれたが、みんな小早川が怖いため知っていても誰ひとり口を割るものはいない。

小早川はこの学校始まって依頼の問題児。つまり不良と言うやつだ。

「先生、小早川君はおいておいてとっとと話進めてください。私今日バイトあるし。」

だるそうに髪の毛に指を巻き付けながら、白石が口を開いた。

「でも、小早川君に伝えなきゃ色々だるいことになりそうだよ」

と、瀧澤がおどおどしながら呟いていた。

小早川暁は学校きっての問題児だ。恐喝、タバコ、飲酒は日常茶飯事。しまいには学校に来ないときは大抵他校の生徒とトラブルになっている。

「グループLINEを作ってみなさんで合宿について共有するのがいいんじゃないでしょうか?」

七瀬が提案をみんなに促した。

「七瀬さんの意見いいですね。みなさんで共有しておいてください」

と、前田先生が話を本題の合宿に持っていく流れを作り合宿についての説明が行われた。

大まかな説明を終え、合宿は7泊8日地方の旅館で行われることとなった。

出発時間等のしおりを受け取り、生徒は会議室を後にした。


日にちは過ぎ合宿の日がやってきた。

高速バスを使いどうやら合宿に行くらしい。他の生徒はみんな集まったが、肝心の先生が来ないのだ。

「んだよ。先公が遅刻とかありなのかよ。」

小早川はどうやら合宿に無理矢理つれてこられたらしく少々不機嫌になっていた。

時間が刻一刻を過ぎていくなか、グループLINEに一通のメッセージが送られてきた。

「先生は先に合宿先にいます。みなさんそろって旅館まで足をお運びください。ひとりでもかけたさい、先生は…」

差出人は、支配人となっており誰か分からない人からだった。

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