第9話 第一復讐

「はぁ……」


 ピンク色のまさに女の子みたいな部屋の端にあるベッドの上で皆川がため息を吐いた。


「学校めんどくさ」


 彼女が所属する川内のグループは彼女らが通っている学校ではトップのリア充だが所詮はリア充(笑)。

 ほぼ全員が腹黒く、川内の正妻の小桜以外は別に彼が好きというわけではなく、この学校で生き残るためだけに彼と関係を持っている。

 それでも、皆川たちは生粋のクズたちである。


「はぁ…」


 もう一度大きなため息を吐くと部屋のドアが開いた。


「よぉ」


 入ってきたのは正輝だ。

 まだ何が起きたのか理解していないのか皆川は一切声をあげず口を開けてぽかんとしている。


「…え?正輝…?」


 その質問を無視してドアを閉めると、


「そうだ」


 今皆川の部屋の外にいる彼女の家族は正輝が強盗だと勘違い、いややっていることは同じだが、赤の他人と勘違いしている。

 だから、ドアを閉めなければ皆川の知人だとばれてしまい、いろいろと面倒くさくなってしまう。


「さあ…なんで今俺がここにいるかわかるか?」

「え…。し、知らないよ」

「そうか…そうか…くくくっ」


 何がおかしかったのか正輝はうつむきながら不気味な笑い声を出す。

 ばっと声をあげると不気味な笑みのまま、


「だったら教えてやるよ」


 その正輝の異常な雰囲気を触れて皆川は恐怖に襲われた。


「知らない、か。ははは…面白いなぁ」


 ゆっくりと血走った目で皆川に近づいていく。


「ひっ…。近寄らないでっ!正輝のくせに…!」

「本当に分からないのか。残念だ」


 ゆっくりと近づいてくる正輝から離れるためベッドの端に追いやられる。

 正輝は右腕を挙げて皆川に向けて振り下ろし、ベッドの端に追いやられてベッドから逃げようとする彼女に向けて。


「止まれ」


 震え、逃げようとしていた皆川が完全に静止した。

 ついに皆川の近くまで来ると勢いよく彼女の顔をつかみ持ち上げる。


「本当に分からないか?」


 顔あたりだけ静止を解除し皆川に正輝が聞いた。


「……も、もしかして…いじめたこと…?も、もしそれだったら悪かったと思ってるから!…そ、そうだ!私の体を自由にさせてあげるから」

「そんなこと言われなくても自由にさせてもらう予定だったさ」


 正輝は皆川を持ち上げたまま続ける。


「そんな一言で解決するならそもそも悩んだりしない。俺が、満足するまでお前を苛め抜いてやるからな」

「ひっ。で、でも…なんでわたしなのさ!ほかにもいるじゃん、純君とか!」

「もちろんそいつらにも復讐はするさ。ただ、お前が最初だっただけだ」

「や、やめて…」

「黙れ。どうせお前は川内に汚されちまってんだろ」







「はぁはぁはぁ」


 汚されたベッドの上に残っていたのは目をハートにした――――

 

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