第20話 痴漢冤罪殺人事件
「お前がやったんだろ!」
「刑事さん、今まで黙っていたが実は俺にはアリバイがあるんだ」
「
✋ ✋ ✋
工口と
「良く思い出してください。今朝、この男に電車内で体を触られましたか?」
朝立が写真を見せながら尋ねる。
「確かに痴漢には遭いました。怖くて振り返れなかったので顔は見てませんが……」
そこで工口は突然、土下座の態勢になる。
「では、今履いているパンツを少しの間貸して戴けないでしょうか?」
「は?」
「殺人事件の重要な証拠なんです。ご協力お願いします」
続いて朝立ち玄関の前で土下座する。
工口と朝立は女子高生・
その後の科捜研の調査の結果、小尻のパンツには確かに揉井の指紋と汗が付着していることが判明。揉井のアリバイが成立した。
✋ ✋ ✋
「犯人、わかったんだけど」
「この事件の犯人は間違いなく揉井だよ」
「でも、奴が痴漢で捕まってしまうとアリバイが……」
「揉井は痴漢なんかしていない」
「だったらパンツに残っていた指紋はどうなる?」
「予め小尻しおりの家に空き巣に入って、
「……じゃあ実際に小尻の体を触ったのは?」
「殺人事件とは無関係の別人。そいつは指紋が付かないよう手袋をしていたか、手の甲で触ったんだろうね。小尻が痴漢によく遭っていることを揉井は知っていて、それを利用したんだ」
「とんだ変態野郎だな。許せん!」
工口は鼻息を荒くして憤った。
エリカの推理を聞いたエロ警部はすぐさま小尻宅へ飛び、今度は持っている全ての下着を調べたいと頼み込んだ。工口は「変態」と32回罵倒され、顔面を踏みつけられるというご褒美の後、何とか全てのパンツを手に入れる。
科捜研の調査で、全てのパンツに揉井の指紋が付着していたことが判明。揉井のアリバイは崩れた。
こうして事件は一件落着。今回も難事件であった。ふぅ。
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