第3話役者は揃った(仁妻 有日一郎 盛平、写師 似法守 刃切、写師 浮史守 敬政、剛事 笑元士子 歌賀内、違 暎胚小次郎 磯利)
25功臣、不止鹿目親(ふしかめちか)、不止朝見(ふしあさみ)、不止忠頼(ふしただより)の3代に渡って仕え、家の安定に努めた25人の名臣を後世の人々は「25功臣」と讃えたのである。
私、新田寺起位守義忠(にったじのきいのかみよしただ)の失言とわが主一郎さまの揚げ足取りによって成り行きに御当主暗殺計画が立案されてから2ヶ月経った。この計画に乗ってくれたのは
・肥田舞伯守政勝(いだまいはくのかみまさかつ)
・剛事笑元士子歌賀内(ごうじえもとのししかがうち)
・違暎胚小次郎磯利(ちがのえいはいこじろういそり)
・仁妻有日一郎盛平(にいづまありひのかずろうもりひら)
といった第八不止家の家臣たちと(肥田政勝は知地政の守り役を務めていた経歴から家老も務めるようになった。生粋の第八不止家家臣ではない。)私が当主の家、新田寺家の親類の家、写師家うつらしの天才兄弟の
・写師似法守刃切(うつらしのじっぽうのかみはのきれ)
・写師浮史守敬政(うつらしのうきしのかみあきまさ)
二人の協力も得ることができた。写師家と新田寺家はいわば開祖の同じ一族である。海長重定(うんちょうしげさだ)という人物は二人の妻を持っており一方が産んだ子に写師姓を名乗らせ、一方が産んだ子に我らが新田寺姓を名乗らせたのである。
「しっかし味方がすくねーなー。」
もっと味方の集まるという胸算用を持ってらしい一郎さまは不平をブウと吐かれた。
「仕方ありません、日の目の当たる行動ができない以上中々同志を集めることは簡単ではありまぬ。」
浮史守どのが一郎さまをいさめられた。私よりも6歳年下なのにこのはきはきとしたものの言い様、尊敬に値する!
「おお、やっておるな!我も混ぜてくれ!」
「む・・?」
一郎さまが疑問の声をあげてしまわれたように私も疑問を覚えてしまった。この声誰のものか、と。齢を食った声ではあるが家老殿ほどしゃがれてはいない。そんな詮索をしていると家老殿が
「こちらは御津田君叔孫清智(みったくんしゅくそんきよち)殿でございます。」
そういうがはやいか一郎さまは叫ばられた。
「叔父上!よくぞ来られました!協力して頂けるのですか?」
「応よ!我の義姉を殺したあ奴を生かしておくわけにゃいかんのだ!」
一郎さまの実母の妹君が御津田どのの奥方であることは後で知った。姉が心労たたって亡くなったと知った奥方は深く悲しまれ御津田どののも妻を悲しませる要因をつくった御当主に深い恨みを持っていたらしい。とにかく役者は揃った、そう私は感じた。しかし私はあと一人訪ねたい相手がいた。
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