あべこべ世界でつよつよロリ?に愛される

ヴぃーたー

第1話

突然、僕はファンタジー異世界に転生していた。

赤ん坊からのやり直し、しかし前世にいい思い出もなく今生では立派に生きていきたいと何も出来ぬ体で思っていた。

そして気づく違和感、ここは美醜貞操逆転世界だったのだ!


今の僕の名前はトニー・バリー・ネルソン 。

王国の恵まれた両親の元育ちそんな僕がこの世界で生きるためにまずした事は、魔法を学ぶ事だ。


だってせっかくのファンタジーな世界なのに魔法を使えないなんて勿体無いじゃないか? でも魔法は誰でも使える訳じゃなく才能のある者しか使う事が出来ないらしい。

僕はどうやらその才能があったらしく3歳で魔法の基礎である魔力操作を覚えた。

それから7年間毎日欠かさず魔力操作の訓練をしたお陰で今では中級魔法の『ファイアボール』までなら無詠唱で放てる様になった。


因みに僕には5つ歳下の妹がいる。名前はアンナと言うのだが妹は何故か僕に懐いてくれていつも一緒にいる。

そして最近気付いた事があるんだが、僕ってばこのあべこべ世界ではイケメンなんじゃないかと思うんだよね。


そんなある日、王都より使者が来た。なんでも宮廷魔導師としてスカウトに来たそうだ。

僕はまだ幼く早いと思ったし、魔法だって達人のような腕前ではない。

なので断ろうとしたんだけど父さんと母さんが乗り気になっちゃったから結局受ける事にした。


そして宮廷魔導師の任命式当日、会場に入るとそこには宝石のように輝く女性がいた。

幼い体型ながらも、艶やかな長い金髪に、まん丸の瞳は碧く、肌も雪のように白い。

身に纏う服装や勲章から彼女が王国軍で非常に高い地位にいるであろう事が分かった。

このあべこべ世界では僕の感想と真逆の反応に襲われるのだろう。

彼女と彼女の周りの人の間には明らかな空間が空いており好ましく思われてないことが伺えた。



彼女はこちらを見ると一瞬だけ微笑み、すぐに冷たい表情に戻った。


「国王陛下の御成り!」


司会の声と共に現れたのはこの国の王であった。

王は僕を見て気の毒そうな表情を一瞬見せこう言った。


「お前が今年の宮廷魔導師になる者か?」


「はい」


「名はなんという?」


「私の名前はトニー・バリー・ネルソンです。 」


「ネルソン君、君は今から王国の為に働く宮廷魔道師になる。だが君はまだ幼く将来性を買ってのものだ。

 詳細は担当の者に聞くとよい。」


そう王は言うとその後、式は問題なく進み、終わった。

そしてあの宝石のような彼女が近づいてきた。


「初めまして、私の名前はルシア・フォン・ウィットブレッド。 貴方の指導、教育を担当することになったの」


「初めまして僕の名前はトニー・バリー・ネルソンです。ルシアさんとお呼びしてよろしいですか?」


彼女は僕が嫌悪したような対応をしなかった事に驚いていたようだった。

そして彼女は機嫌良く答えた。



「えぇ構わないわよ。

それより私のことはルシアと呼び捨てにしてちょうだい。

それと敬語もいいわ」


「はい、分かりました。それじゃあ僕からもお願いがあるんですけどいいでしょうか?」


「何かしら?遠慮せずに言ってちょうだい」


「実は僕は平民出身で礼儀作法とか良く知らないのです。

だから教えて欲しいと思って……駄目ですかね?」

これは本当だ。

前世の記憶を持っているとは言えこの世界の常識に疎い事は事実だし、貴族社会で生きる為に最低限必要な事は知っておきたいと思っていたのだ。


「指導、教育担当といったでしょ。任せてちょうだい!徹底的に叩き込んであげるんだから」


こうして僕は彼女のお気に入りになったのだった。

ルシアは久しぶりの…もしかしたら初めてかもしれない異性の普通の対応に凄く喜んでいた。



僕に魔法を教えてくれる事になってくれた人は、とても綺麗な人だった。

年齢は10代前半にしか見えず、性格もどこか無邪気さを感じる。実際の年齢は秘密との事だった。

それでいて魔法に関しては凄腕の実力者でもあった。


こうして僕とルシアは出会ったのだった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る