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2024年1月21日 05:42
あれ、やっぱり皐月ちゃんだよね?てことはアイシャちゃんは皐月ちゃんから脱皮したってことに?なんにせよ無事ウラから逃げられて良かった。…ウラはこれ脱出出来るの?www
作者からの返信
なななななな、なんでそう思ったのかな? かな?アデルもひとりごとで誰かと会話してたのにさーっ!「結局あの魔物の虫はなんだったのでしょうか」「──虫を食べようだなんて、とうとう魔族の誇りも捨ててしまったのかい?」「そ、その声は──ティールさんっ!」「久しぶりだねぇ。アタイたちの群れを離れてどうしてるのかなんて思ったら、人間族の街を離れて虫食に興じているなんて」「……ウラは魔族の鳥ですから」「鳥の魔族、だろ?」「それにしても“どうしてるか”なんて、心配してくれていたのですか?」「バカを言うもんじゃないよ。そんなナリでもアタイらの一族なんだ。あのマケリとかいうのに迷惑をかけていたら承知しないよってことさ」「うう……余計なお世話ですよ。ウラは上手くやれてますから」「どうだかねえ。たった1匹の虫も仕留められないどころか、返り討ちにあってたじゃないのさ」「なかなかに手強い敵でした」「ふぅ、なんならアタイがお手本ってやつを見せてやろうか?」「なっ、ダメです! あれはウラの獲物なんですから、絶対に手出し無用なんです」「はいはい。それで、マケリのやつは元気にしてるかい?」「えっと……変わらず元気のはずです。気になるならウラと一緒に行きますか?」「馬鹿なことを。アタイらが行くときは街を落とすときだよ」「そんなことはウラが許さないです」「どう許さないって言うんだい?」「えっとそれは……こうっ、こうです!」「ふぁっさ、ふあっさと羽ばたいて何してるんだい。鳥のダンスなんて見てもアタイらには面白くもなんともないよ」「ううっ、渾身の気迫を込めたはずなのに」「その丸顔にまん丸つぶらな瞳で気迫なんて言われても、ねえ」「虫には効いたのに」「その虫だけどねえ。アタイらは虫を好んで食べたりはしないよ。それはアタイらの性質を魔族からただの鳥に近づけてしまうことになるからね」「それってつまり?」「アタイらだって種の進化の道半ばなんだよ。魔族としての矜持と存在を保っていれば強く気高くあれるけど、それを手放して鳥の真似事をしていたらいつかきっと、ただの鳥になっちまう」「それは退化するってことですか?」「性質がね、人間族よりも魔族として上位の存在でいられ、人間族にはない特徴を持った特別でいるためにも、アタイらはそんな鳥みたいな真似しちゃならないんだ」「ウラは、ウラは……」「──だけども、それを逆手に取って存在を偽る術にすることもある。新たな種の祖として、枝分かれした道を行くものとして託すために」「そんなことがあるんですか」「──少しお喋りが過ぎたみたいだね。アンタはせいぜい人間族の街で追放されないように足掻くことだね」「むっ、ウラはちゃんとやれるのですよ!」「はんっ! 間違ってもアタイらに処分されるようなことにはならないように気をつけることね!」「──ウラは、きっとやっていけるのです」
あれ、やっぱり皐月ちゃんだよね?
てことはアイシャちゃんは皐月ちゃんから脱皮したってことに?
なんにせよ無事ウラから逃げられて良かった。
…ウラはこれ脱出出来るの?www
作者からの返信
なななななな、なんでそう思ったのかな? かな?
アデルもひとりごとで誰かと会話してたのにさーっ!
「結局あの魔物の虫はなんだったのでしょうか」
「──虫を食べようだなんて、とうとう魔族の誇りも捨ててしまったのかい?」
「そ、その声は──ティールさんっ!」
「久しぶりだねぇ。アタイたちの群れを離れてどうしてるのかなんて思ったら、人間族の街を離れて虫食に興じているなんて」
「……ウラは魔族の鳥ですから」
「鳥の魔族、だろ?」
「それにしても“どうしてるか”なんて、心配してくれていたのですか?」
「バカを言うもんじゃないよ。そんなナリでもアタイらの一族なんだ。あのマケリとかいうのに迷惑をかけていたら承知しないよってことさ」
「うう……余計なお世話ですよ。ウラは上手くやれてますから」
「どうだかねえ。たった1匹の虫も仕留められないどころか、返り討ちにあってたじゃないのさ」
「なかなかに手強い敵でした」
「ふぅ、なんならアタイがお手本ってやつを見せてやろうか?」
「なっ、ダメです! あれはウラの獲物なんですから、絶対に手出し無用なんです」
「はいはい。それで、マケリのやつは元気にしてるかい?」
「えっと……変わらず元気のはずです。気になるならウラと一緒に行きますか?」
「馬鹿なことを。アタイらが行くときは街を落とすときだよ」
「そんなことはウラが許さないです」
「どう許さないって言うんだい?」
「えっとそれは……こうっ、こうです!」
「ふぁっさ、ふあっさと羽ばたいて何してるんだい。鳥のダンスなんて見てもアタイらには面白くもなんともないよ」
「ううっ、渾身の気迫を込めたはずなのに」
「その丸顔にまん丸つぶらな瞳で気迫なんて言われても、ねえ」
「虫には効いたのに」
「その虫だけどねえ。アタイらは虫を好んで食べたりはしないよ。それはアタイらの性質を魔族からただの鳥に近づけてしまうことになるからね」
「それってつまり?」
「アタイらだって種の進化の道半ばなんだよ。魔族としての矜持と存在を保っていれば強く気高くあれるけど、それを手放して鳥の真似事をしていたらいつかきっと、ただの鳥になっちまう」
「それは退化するってことですか?」
「性質がね、人間族よりも魔族として上位の存在でいられ、人間族にはない特徴を持った特別でいるためにも、アタイらはそんな鳥みたいな真似しちゃならないんだ」
「ウラは、ウラは……」
「──だけども、それを逆手に取って存在を偽る術にすることもある。新たな種の祖として、枝分かれした道を行くものとして託すために」
「そんなことがあるんですか」
「──少しお喋りが過ぎたみたいだね。アンタはせいぜい人間族の街で追放されないように足掻くことだね」
「むっ、ウラはちゃんとやれるのですよ!」
「はんっ! 間違ってもアタイらに処分されるようなことにはならないように気をつけることね!」
「──ウラは、きっとやっていけるのです」