黒猫の夢

おくとりょう

雨の夜に

 ぽつん、ぽつん、と。

     屋根からしたたる水の音。

   しとしとしと…と。

        静かな雨の続く夜。


 頬杖ついて

     微睡まどろむ私は、

        昔のことへと想いを馳せる。


   徒然なる 日々も過ぎ去り幾星霜。

            眠たい朝があるならば

                語りたい夜もある訳で…。



 ――…ねぇ、聴いておくれよ。私の話を。



                嘘かまことか、真ん中か。

             そんなことは棚にあげ、


               牡丹餅ぼたもちのように味わって。


             はぎの側に座るなら、

 青い百合根ゆりねを歩かせて。

            酸っぱい火薬は吐きもどせ!


                              さぁ、

       とっとと あなたも本音を言って。

   ―となりの私と、前の君。

                  建てば必ず聴いてるわ。



            よろこぶのがネム合歓ならば

                 かたってはなすは何なのか。


 私の心はいつもここ、

        見えない月は君の瞳。


                                 でも、

 地獄ですする 泥は き―っと 甘いって。


                                ……ね?

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