第15話 玄武様の名の元に

「クソジジイ長……やっぱテメェ強えな。まあ、俺もテメェも、500%の《一蓮托生》、《神域解放》を使ってねえから、本気の勝負とは言えねぇが」

「ふんっ、《神域解放》等公の場で見せる様な技ではない。大体あんなもの使えば、近くにいる人間が消し飛ぶわ」

「確かにな……それにしても見事だったぞ酒井、〈共鳴〉をあんなにも自然に導入するとはな」


 赤とオレンジの境目の様な色の夕日が差し込むとある教室には、理事長、鏑木、酒井の3人が話していた。


「ところでクソジジイ長、次の課外授業でのセッティング、できてんだろうな?」 

「勿論、予定通り、船岡山の迷宮を設定しておいたぞ」

「使えるじゃねぇか……鏑木、テメェは予定通り〈一蓮托生〉のもう1段階上を示唆する様な伏線をアイツの心ん中に張っとけ……玄武の持ち主なら、きっと気づける筈だ」


「……玄武の真実を知る俺達は、玄武を、そして幹部の持ち主を、生涯を持って育てる……その為なら、如何なる行動も厭わない、全ては……」


 酒井は、目を閉じ手を合わせる、すると鏑木と理事長も目を閉じ手を合わせる。


「「「玄武の名の元に」」」


(ど、どーしよう……この前に引き続き……とんでもないことに聞いちゃった?!)

 白神吹雪が聞いているのに気づかずに……

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る