第2話 闇と光のキセキについて簡単に

 改めて、闇と光のキセキのあらすじを紹介しよう。

 舞台はインクーン大陸。

 その北部には、光のショーメア教国の聖堂都市と、闇のノワール・ブーケ長城があった。

 隣接する二国は対立関係にあるが、近年では、稀に国境を巡って小規模の小競り合いがあった程度。緩やかな膠着状態を保っていた。

 その均衡が破られたのが“大エーテル”の降臨であった。

 ショーメア大聖堂の上空に、突如、無限大にも等しいエネルギーの光球が現れた。

 そして“神”の啓示が下された。

《人の子らよ。此度を以て、そなた達の生まれ、死にゆく輪廻の摂理を廃する事とする。

 “エーテル”ある限り、教国の民が死ぬ事は無い。

 但し、新たな命が生まれ来る事も無い。

 選ばれし者達よ。“聖女”を見出だせ。

 理想郷を創り、悠久を生きる資格を示せ》

 つまり。

 ショーメアの民には不老不死を与えられた。

 引き換えに、新たな生命の誕生を失った。

 聖女の先導のもと、今から選ばれた者達のみで、永遠の理想郷を築けと“神”は命じたのだ。

 そして、現教皇グロス・バルディ14世は手始めに命じた。

 

 神選しんせんの時は来たり。

 “聖女”達よ、闇に生きる不浄のノワール・ブーケを裁きたまえ。

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