第24話 魔物との攻防1
ーー 自重なしの攻防 1
エストレーナを従え僕は、城壁の強化に向かいます。
現状の城壁は、高さ7m、厚み3m長さが約10km。
その城壁を高さ20m、厚み5mで長さを12kmに変更しようと考えている。
長くなる部分は要所要所に突起したような部分を構築し外敵攻撃の要となる部分である。
土魔法を練り上げ、城壁の外側10m程から掘り下げる感じで土を取ると、
城壁に盛り土しながら硬化の魔法をかけ固く丈夫に仕上げてゆく。
外側の穴はそのまま外堀となり、水を入れれば防衛力が数段上がる。
城壁の強化作業は、1日で約半分終了し、3日もあれば終了しそうだ。
ライには、適時魔物の同行を見張らせており、飛翔型の魔物の間引きも併せてお願いしている。
2日の午後、城壁が完成したことから、堀用の水脈を探りながら周囲を回ると、
良い感じの水脈を見つけた。
土魔法と硬化の魔法を併用しながら穴を掘ること1時間、見事に水が噴き出し堀に繋ぐ。同じような作業を4箇所で行い堀の水の確保は、終了しあとは溜まるのを待つだけだ。
その頃魔物は、街まで1日から2日という距離にまで近づいてきており、肉眼でも確認が出来るようになった。
僕は街と魔物の間に移転すると南北約30kmに渡る、巨大な地割れを発生させた。
「これでしばらく2時間稼ぎと先頭の魔物の処理ができる。」
そう呟きながら僕は、街に戻ると領主達に
「防衛の準備は完了しました、明日1番に魔物の駆除に向かいます。」
と宣言して宿に戻った。するとエストレーナが
「明日は私も参加させてもらえるのでしょうね。」
と聞くので、
「当然だよ、期待してるよ」
と答えると嬉しそうに微笑んだ。
ーー 殲滅とはこういう事だ!
次の朝早く朝食を摂ると僕らは、ライに乗って魔物の後方に向かった。
先頭から離れる事2日の距離に最後尾と言える魔物達がいた。
いずれも身体が大きくスピードが遅いため、最後尾となってはいるがそのレベルは高い。
僕は召喚魔法で、3アンデット王を呼び出し
「我にその力を示せ」
と命じ、後方から魔物を攻撃させた。
エストレーナには、竜種やそれに次ぐ魔物の討伐を命じ。
僕自身はそれ以下の雑多の魔物を殲滅するために、殲滅級の魔法を魔物の群れの中程に、連続で放ち出した。
攻撃開始の1時間ほどで、魔物の混乱は最高潮に、前に進めば深い谷に転落死。
真ん中付近は、天変地異のような魔法攻撃、後方はアンデットからの攻撃でやられる一方だ。
頼みの綱と言える竜種も、エストレーナに討ち取られ始め、魔物はスタンピード本来の目的を忘れ逃げ惑っていた。
僕はそんな魔物を見ながら、狭くなった魔物の範囲を囲むように、地面に深い亀裂を作ってゆき、逃げ場を完全に断つと。
炎の魔法で焼き殺し始めながら周囲を大きな結界で蓋をした。
エストレーナらを側に呼び返すと僕は、結界から酸素を抜きながら二酸化炭素を送り込み始めた。
エストレーナに
「何をされているのです?」
と聞かれた際に僕は、
「空気の種類を入れ替えているんだ、呼吸ができないように」
と答え結界の中を指差した。
結界の中では、勢いよく燃え上がっていた魔物達の炎が次第に小さくなり、同時に魔物が苦しみ出すと次々に倒れていった。
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