―表裏世界―

抹茶嫌いのmattyan

第1話 表裏世界

目が覚めると世界が変わっていた。


体はボロボロだし、優しかった両親はどこか素っ気ない態度を取る。


いじめてきた友達は仲がいい親友になっていたし、親友は不良になっていた。


世界が裏返った。

―…―…―…―…―…―…―…―…―…―…

私は里浦ひより。

普通の高校生で、運動も成績も平均。

友達はそこそこいたけれど、いじめてきた子も何人かいた。

いっそ、何も無い世界だったらと思ったことも何度かあった。

そんな時、太陽が青く輝いた。

周りの人は何も気にする様子もない。

私だけに訪れる裏の世界。

深く深く沈むような感覚が訪れ、そこからの記憶は穴が空いたように無くなっていた。


―目が覚めると何もかも勝手が違っていた。

全てが逆になっていた。

現実世界に帰る方法は?

この世界でやるべき事は?

そう思った時、目の前にメッセージウィンドウが現れる。


『セカイヲエラベ』


この1文だけ。

何も出来ない器用貧乏な私が世界を選ぶ?

そんなの神様でもなんでもない私が出来るわけがない。

右上の×マークを押してウィンドウを閉じる。


『裏世界への介入を確認』

『特典:身体能力の強化』

『特典:精神状態の緩和』

『特典:思考能力の加速』


またメッセージウィンドウが表示されたかと思うと、押せと言わんばかりに点滅し出す。

1回押すと


『特典:身体能力の強化』

『こちらでよろしいですか?』


と確認してくる。

何が何だか分からないのでとりあえずもう一度押す。


『承認を確認…成功しました』

『里浦ひよりに身体能力の強化を施します』


途端に体が軽くなる。

いや、

マンションを外に出て、走る。

学校まで8分ほどかかっていたのが30秒も走れば着くことができた。

目が乾くのを感じる。

何回か瞬きをすれば目が潤う。

…何でもできる体になったようだった。


それからも色々なことを試した。

学校の敷地の周りを走る。

…息が切れる様子はまるでなかった。

ジャンプをしたら閉まっていた校門を簡単に乗り越えることができそうだった。

…流石に捕まるのでやめたが。

マンションまで帰り、所謂壁キックと言われるものもやってみた。

…屋上まで登ることも出来た。


10分程走り、人っ子一人見当たることもないような辺鄙なところまでやってきた。

自分の背丈ほどの木を殴る。

こっぱ微塵に砕け、百円玉程度のサイズのチップが沢山出来る。

自分の細い指は切り傷1つさえ作ることはなかった。


あの様子であれば、他の特典もそのうち獲得することが出来るのだろうか?

…身体能力の強化だけでこの効果が得られるのなら期待が出来るかもしれない。


諦めかけていた人生にも希望スリルが見えてきた。

レールに沿った人生なんてつまらないし、価値なんてないと私は思う。

充実とは危険と隣り合わせになること。

私はこれが生きる上で大事になることじゃないかと思う。


…さて、現実にはいつ帰れるの?

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初めましての方は初めまして!


抹茶嫌いのmattyanと申します!


自分が元々書いている小説の合間に書いていける作品が欲しいなと思い、この作品を書き始めました。


自分が幼少期の頃に思い描いていた世界を何とか思い出してこの作品に起こして見ました!


…ハッとすることがあったりすると良いなと思います!


自分が以前から書いている小説はこちら!


https://kakuyomu.jp/works/16816927859374208310


では!

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