第4話 輝きの力


「よかった。元気になったわね。

さあ、その手に持っている光の弓矢をひくのよ」


ロピーは、辺りを見回しながら聞きました。


声だけが、ロピーの心の中に聞こえてくるのです。



「助けてくれてありがとう。君は誰? どこにいるの?」


「わたしは、キラキラ星のキラキラ姫です。

 襲われた時、みんなで地下に逃げたの」


「みんな無事なんだね。襲った奴は、何者なんだい?

 きっと僕の住む光の国を襲った奴と同じだね」


「ようく聞いてね。あなたやわたしの国を襲った奴は、透明な体で目に見えないの。

 恐れや恐怖心と呼ばれているわ。

 めったにないのだけど何万年に一度、宇宙・星・神・妖精・人間の世界に、

 巨大な暗黒の力となって襲ってくるわ」


「倒さなければ、みんなやられてしまうんだね」


「違うの。倒したらダメなの。恐れは、あなたやわたしの心の中にもひそんでるわ」


「どうしたら、いいのさ」


「輝きの力を使うの。あなたが輝く時、恐れも迷いも寄せ付けないわ。

 その手に持っている光の弓矢を空に向けて、あなたの輝きを解き放って!」


ロピーは、光の弓矢を空に向けて、ゆっくりと構えました。


「今よ! 放って」


ロピーは言われるがままに、はりつめた光の弦を放ちました。


すると、光の弓から、無数の光の矢が放たれました。


光の矢は、尽きることなく、次から次へと弓から放たれていきます。


その数、千矢、壱万矢、十万矢を越えて、


やがて、空一面を光で覆いました。……



〈続く〉

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