前のエピソード――邂逅の街

──ブログ投稿サイトRoomにて、アカウント名「おもち」の記事より抜粋──

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タイトル『妄想ショッピングマン』

　街を歩いていると、よく入るお店があります。本屋さんと、文房具屋さん。あと、ホームセンター。

　何かを買う目的があって入るわけではありません。ただそこにあるモノ達に、「会いに」行くのです。ウィンドウショッピングというやつです。

　本屋さんに入ると、ビジネス関連コーナーへ向かいます。そこには、「できる人」の交渉術やメールの打ち方、デスクの整理整頓法などの仕事効率化に関する本が沢山並んでいます。

　ぼくはそのどれかを手にとり、少し立ち読みします。そして、頭の中でニヤニヤしながら（顔には出してないはず！）その内容に感心し、本を戻します。

　たまに小説を選んで買ったりもしますが、本屋さんに入るメインの目的は立ち読みなのです。（本屋さんごめんなさい！）

　文房具屋さんは、最近どんどんオシャレになっています。メモ帳や手帳、ペン、ポストイット、名刺入れ、ペンケースなど、オシャレでスマートで、「できる人」が持っていそうなアイテムがそこには並べられています。

　手帳は、実は持っています。オシャレなものを。ぼくが使うには、無駄にオシャレなものを。持ってるくせに、違う手帳を眺めては、それをスマートに使いこなす自分を妄想し、満足してお店を出るのです。

　ホームセンターは、好きな人も多いのではないでしょうか。便利な日用品がお手頃価格で手に入りますからね。<でも、ここでもやはり、ぼくの目的はそんな日用品ではないのです。

　ぼくは工場の物流部門で働いた経験もありますので、現場で使えるようなアイテムにも弱いのです。動きやすい安全靴、作業服のベルトに通せる多機能ポケット、多機能カッター、耐久性・防塵防水のペンライトなどなど。それらを華麗に使いこなし、爽やかな汗を流す自分をこれまた妄想し、店を出ます。実際に購入した物もありますが、妄想だけで買わないパターンがほとんどです。妄想ショッピングですね。

　ぼくは、仕事用アイテムが大好きなのです。決して、仕事が好きなわけではありません。スマートで爽やかで格好よく、仕事用アイテムを使いこなす自分に、ちょっとでも近づきたいと思う妄想ショッピングマンなのです。

　そんな妄想ショッピングマンは、妄想ショッピングの種類を増やして、さらに妄想を捗らせようと企んでいます。

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アカウント名:つくね

すごくわかります、妄想ショッピング！！　僕もよく妄想のためだけにお店に入ることがありますよ〜。