守人(カットマン)無双〜卓球していたおかげで異世界満喫生活〜
avocado
第1話 転移
俺は日差しが強い草原の上で寝ていた。
「ここはどこだ?」
松下光一は広い草原の景色を見ながら混乱していた。さっきまでコンビニにいたはずだが……
思い出そうと頭をフル回転させる。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
4月の暑い日の夕方。大学の部活帰りにお腹が減り。コンビニに友達と寄り道して買い物した後、駐輪場で談笑し始めた時だった。トラックが駐車しようとするところに7歳くらいの少女が走り込んでいった。
俺は声が出る前に体が先に動いていた。
ドンッッ!!!!!!
という音とともに俺の意識は薄れていった。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「そうか、俺は死んだのか。」
あの少女は無事だったかな、無事なら俺が死んだ意味がある…………わけではないが…………
人助け出来たなら…………と思いたかったが勝手に涙がこぼれ落ちていた。
もっと楽しいことや嬉しいこと、結婚、親への恩返しなど、やりたいことがいっぱいあったからだ。
10分くらい泣いた後、我にかえり周りを見渡すと草原が広がっているが、死後の世界ならありえないものが落ちていた。
「さっき買ったコンビニの商品だ。」
レジ袋にはちゃんとおにぎり、揚げどり、緑茶と明日の朝ごはんとして食べようと買ったメロンパンも入っている。後ろには長年使っていたリュックも落ちていた。もちろんリュックの中身も俺のものだ。
俺は少し考え、ある結論に至った。
「異世界……?」
ラノベが好きな俺は、異世界転生の小説などをよく読んでいた。その中でもトラックに轢かれて転生するものが多いことを知っていた。今回の俺は転生ではなく転移に近いものだと思う。本当にここが異世界なら。
「ステータスオープン」
異世界に行ったら言ってみたい言葉を言ってみた。周りには人がいないので恥ずかしくないと思いたい。
”ブォン”という音とともに画面が表示された。
キターーーーーー!!!期待に胸膨らませ画面を見る。
<ステータス>
名前:コウイチ・マツシタ
性別:男
年齢:19
称号:転移者、
レベル:1
能力:HP 20/20
MP 10/10
攻撃力 ――16
防御力 ――9
魔攻力 ――9
魔防力―― 14
速力 ―― 24
スキル:鑑定 Lv1
ステータス画面を見ながらこの数値がいいのか気になったが、比較対象がいないので諦めた。
「転生したら、チート能力とかあるのが定番だが、もしかしたらこの鑑定という能力がチートかも。」
スキル欄の鑑定の部分をタップしてみた。
<スキル>
鑑定 Lv1 人、魔物、スキルとありとあらゆることの情報を見ることができる。レベルがあがるにつれて情報が多くなる。Lv1では名前と簡単な説明を知ることができる。レベルを上げるには多くのものを鑑定することが必要。ただし1回鑑定したものは鑑定してもレベルは上がらない。また鑑定レベルより高い隠ぺいのスキルを持ったものを見るのは不可能。
ここで分かったことはレベルを上げるには出来るだけたくさんのものを鑑定することと隠ぺいのスキルがあることだ。
とりあえずレベルを上げるために荷物を鑑定することに
する。
<持ち物>
リュック
長年使われているバック、ボール入れ(ボール×3)がついている
ボール入れ
ボールが3球入る入れ物
ボール
40mmのボール。ラケットで攻撃できる
ボール
40mmのボール。ラケットで攻撃できる
~リュック内~
ラケット
大事に使われている、端が欠けている
赤面、裏ソフトラバー
黒面、粒高ラバー
シューズ
29cm底がすり減っている
ユニフォーム×3、Tシャツ×2
派手、汗がしみこんでる
ショーツ
半パンより短い、少し汗がしみこんでる
携帯
魔石で充電可能、イヤホン付き
財布
¥2,631、長財布
水筒
何も入っていない、保冷効果
~レジ袋内~
おにぎり
具は鮭、米が握られている
揚げどり
鶏肉が油であげられている
緑茶
茶葉から抽出された飲み物、ペットボトルに入っている
メロンパン
菓子パン、ビスケット生地がのっている
たくさん鑑定したのにレベルが上がらなかった。100回くらいしなければならないのだろうか……
とりあえずお腹が減ったから、おにぎりと揚げどりを食べてから動くことにしよう。幸いにも太陽は頭上にあるので暗くなるには時間がありそうだ。
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