大学生の日記(不定期)

黒犬

第1話国家公務員を目指すことにした

 昼間に飲食店のホールスタッフをやり、夜間の法学部に通ってもう1年以上が過ぎた。

 毎日自分と喧嘩するように苦しみ、あがき、欠点を埋めようともがいている。

 法律学は、幸いなことに自分に向いている学問だ。

 法と言う決まりがあったとして、何故そんな決まりがあるのか、どんなロジックで、法と言うものが作られているのか、全てに根拠を求め、そして面白いのが、そういった一つの決まりや判決に批判するべき穴がある点が数多くある点である。

 私に向いているじゃないか。「常に自分はこれでいいのか」と自問自答して、磨いていくなんてね。

 さて、私は最近心理学の勉強を自分で勝手に始めた。

 家庭裁判所調査官という仕事に興味が出たからだ。

 少年事件などで、少年が犯した非行の背景などを調査する仕事だそうで、公務員試験の中では、国家総合―俗に言うキャリアだ―に分類されている、なるのが非常に難しい仕事。

 未だに16で高校を退学した時を思い出すけれど、あの時は学校の内部でも、或いは外部、すなわち自分の家族とも関係がぐちゃぐちゃになっていた。

 居場所が無くて泣き喚くしか無くて、自分の無力をあれほど感じた時間は無い。


 私は今、20歳だ。十分に大人だ。

 思えば、16の頃より遥かに色々な物が見えるようになった。

 ここで稚拙な文章を書いて、周りから同情を買っていたあの頃よりずっと。

 

 泣き喚いて苦しんで、それで先に進むものがあるのなら、泣き喚いて苦しんだ方が良い。そう私は思う。たとえそれが終わりの見えない暗闇に思えたとしても。

 だからこそ、今現在進行形で苦しんでいる誰かの助けに成りたい。

 自分が誰にも助けてもらえなかった、理解してもらえなかったあの頃の、目を向ける事すら嫌な己の姿を、それでも私は救ってやりたいと思う。今苦しんでいる誰かの傍にいる事によって。

 

 私はこれからもっと変わる。心理学を勉強して、法律学を勉強して、行政書士を取ったりもして、更に良い男になってやる。

 良い男は人を憎まないし、下ばかり見ないから、私は目指すものに本気でなってやる。

 これは決意表明だ。

 自傷をやる程もう馬鹿でも無いから、私は自分を自分で傷つけない。

 その代わりに、下ばかり見る誰かを、さらに下から覗き込んで笑わせてやるんだ。

 そんな人間に俺はなるんだ。

 

 

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