第??話 ホーム・アローン? 新しき女神達
[作者から読者にメッセージ]
この話でとうとう
第46話 豪邸を探索しよう
および
第49話 一体いつから錯覚していた?
に出てきた3つの???の正体が判明します!もう、40話くらい前の話になりますね...。いや、本当にかなり前です。
第46話から第49話辺り、あるいはそれ以前から本作品を愛読してくれている読者の皆様、本当にお待たせしました!
そして第46話と第49話をまだ読んでいない読者の方々は、この話の前に第46話~第49話を読んでおくことをオススメします!
ーーー
これは、イチロウ達『女神の家』が聖国へと旅だった日の留守組の記録である。
「うぃ~す。イチロウ。酒~!」
正午。スイカは地下1階からふらりとリビングへ現われた。
「あれ?だーれもいない...。あ、置き手紙がある。どれどれ...。」
『スイカへ。今日から1週間ほど、聖国へと出かけていきます。リビングに日本酒と食事を2ヶ月分用意したので、留守番をよろしくお願いします。がぶ飲みなどで、一気に減らさないように!イチロウ』
「おおー、気が利くじゃん。では早速」
ピンポーン!
スイカはリビングの方に日本酒を取りに行こうとしたが、玄関でチャイムが鳴る。
「あ”あ”!誰だよ、お楽しみを邪魔しようとする奴は!」
急いでリビングの保管庫から日本酒1本を掻っ払い、急いで扉へと向かった。酒をグビグビ飲みながらスイカが扉を開けるとそこには2人の女性が立っていた。1人は槌を担いだ赤髪で筋肉質な体をし、もう1人は緑色のドレスと蔓を身に纏っていた。
「よ。スイカじゃねぇか?元気にしていたか?」
「げ、イードラ!?」
「げ、とは何ですか!私達をまるで化け物みたいな感じで見て!」
「イーシス!?いやいや、特級神二人がいきなりバァーン!って登場したら上級神はビビるって!」
「カッカッカ。にしてもあたい達。どうやら入れ違いで来ちまったらしいぜ?」
「まぁ、巡り合わせの悪い事で。でしたら、主人が帰ってくるまでここで待っていましょうか?」
「そういうことだ、スイカ。お邪魔させてもらうぜ。後、ついでに飯あったらご馳走させてくれ!」
「はぁ~、分かったよ。」
スイカはビッグな2人のお客様を連れて、リビングの方へ案内した。スイカは保管庫から、<創造魔法>で創られた幕の内弁当、焼肉弁当、餃子の皇将の餃子、お茶2本を取り出して振る舞う。
「お、あたいはこれ貰うぜ。え~と、『URYY苑の焼肉弁当』ってやつ。...!滅茶苦茶うめぇな。」
「私はこの『幕の内弁当』で。...美味しいです。」
「餃子と日本酒、悪くない組み合わせっと。」
3人の女神達がこうしてリビングで食べていると、玄関から1人の女性が現われる。
「大きな気配があったのでもしかしてと思って来てみましたが...あなた達でしたか、造形神、農業神。」
「お、そういうお前はメルアじゃねぇか!邪魔してるぜ。」
「そちらの国はどうですか、メルアさん?」
「はい。滞りなく。それで、御二方はいつここに?」
「あ、ついさっきだぜ。ま、イチロウの旦那はいなかったけどな。」
「あ、置き手紙が。なるほど、どうやら主人は聖国へと出かけたみたいですね。」
イーシスが置き手紙を見つけ、イチロウ達の行き先を把握する。
「成程な。それと、メルア、スイカ。お前達以外にもう1人、ここに私達と同じ女神がいるぜ。」
メルアとスイカはその発言を聞いて、驚きの顔をする。
「上の方に感じますよ。これは相当、神気を隠すのが上手いですね。特級神レベルでないと気づかないくらいでしょう。」
イードラとイーシスの2人は弁当を食べ終わると、メルアとスイカを連れてその気配の場所へと向かう。そこは...
「3階...ですか?」
「ここに誰がいるんだよ?全然、感じねぇぞー!」
メルアとスイカは周りを見回すが、探し当てることも出来ない。
「全く。おーい、ここにいるやつ。少しくらい挨拶でもしたらどうなんだい?」
イードラが3階の図書フロア中に大きな声を上げた。すると、
ビュオオオー!
と強大な神気が風となって3階を包み込んだ。
「...うるさい。」
図書フロア中に響く淡々とした声と共にその女神は現われた。寝巻きのようなゆったりとした桃色の服、眠たそうな半開き目、床まで届くくらいの薄ピンクなボサボサ髪な彼女を見て、イードラは顔を青くさせる。
「メ、メティス様...。」
イードラの言葉により、スイカ、メルア、そしてイーシスでさえ恐れおののき始める。
「お前達...私の領域で大声をあげようものならどうなるか分からないわけではあるまいな?」
ギロッとイードラ達を睨み付けるメティス。すると、4人の女神達は一斉に土下座を決め込む。
「「「「申し訳ありませんでした!最上級神様!」」」」
最上級神。神界でも3柱しかいないとされる、全能神、調停者に続く位の高い女神。その1柱がこの図書フロアをいつの間にか領域、つまり拠点にしているという事実に特級神2人と上級神2人は心の底から驚愕する。
「ああ、お前達のおかげで思い出した。この書物を創りだしたイチロウとやらに愛の告白をしなければならなかったな。彼は今、何処にいる?」
ジトッーと目を向けるメティス。先ほど見た置き手紙のことを告げるべきかどうか悩んでいると、
「ふむ。どうやら聖国とやらにいるみたいだな。」
メティスは心を読み、イチロウの現在地を探り当てる。
「ぶ、不躾ですが一つ質問をしてもよろしいでしょうか?」
メルアがメティスに質問の有無を尋ねる。
「何だ?言ってみろ。」
「メティス様は何時からこの図書フロアにお越しになられたのですか?」
シーンとする図書フロア。
「確か2日前の夜だったが、それがどうした?」
この言葉を聞いて、メルアとスイカは心の中でツッコんだ。
((このフロアを図書館にした直後からいたのかよ!))
ーーー
次回、もう1話だけ留守組続きます!内容としては、国に必ず必要なあの建造物についての話です!
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