第66話 夜戦と性戦~ホラーを添えて~

[注意]後半、ホラー展開!


ーーー


僕達『女神の家』は魔物を討伐しています。


「召喚!<ファイアガン>。」


ソールは魔法陣から5つの銃を召喚し、ドドドと次々と魔物を無駄玉無く撃ち抜いている。本当に、その技は便利だよな。しかもちゃっかり弾に火を<付与>しているし。


「おかしい。1日に2回も魔物の大群と遭遇するのは普通、あり得ない。しかもスライムゾンビやオークゾンビのアンデッド系はここには分布されていない筈。」


アウラは聖剣と火属性魔法のコンボで、アンデッド系の魔物達を屠っていく。今現在、僕達はスライムゾンビ100体とオークゾンビ100体を相手にしている。


「ふむ。目覚めの運動にしては、少しハードじゃけどの。<竜鳴六十四卦:三十・離威火>。」


シラユキは金棒に白炎を纏わせ、通り過ぎる度に魔物に強烈な一撃をお見舞いしていく。前の特別試合より動きが精練されている。


「<ファイアバレッド>。」


「<付与エンチャント:ファイアアロー>。」


ツカネ・アカネ姉妹は火球と火矢のコンビネーションを見せている。互いに背中を任せている姿がかっこいい。


「イチロウさん。」


「ああ。僕達も目の前の敵を早く倒そう。<魔装:ファイア>。」


「<調理神術:火包丁五枚下ろし>。」


火を纏った剣と包丁をそれぞれ持って、魔物の首を斬っていく。アンデッド系の魔物の弱点は火!これ、重要!


全員が火を使って攻撃しているおかげで、面白いスピードで魔物の数が減っていく。


ギャオオオッ


最後の一匹を倒したと思ったら、ビックボスが現われた。


ドラゴンゾンビ

HP 4000/4000

MP 4000/4000

攻撃力 4000

防御力 4000

草色の肌をしたドラゴン。腐敗しているため、素材にはならない。火属性魔法で焼却しましょう。討伐部位は角。


翼はボロボロであり、飛翔していない。所々、骨が出ていて気持ち悪い。


「うわー。すっごい臭いよー。」


「本当にアンデッド系の魔物は匂いがきついんですよね。C級の依頼でもこんなことがありましたよ。」


「元々は妾を敬い信仰していたドラゴンの1体じゃったろうに。可愛そうじゃ。婿殿、早く彼奴を解放してはくれないか。」


言われなくとも


「神銃『ファイアガトリング』。風穴開けて差し上げますわ。キィーヒッヒッヒ!」


だから神銃は禁止だと言ったでしょー。


「大丈夫ですわ。今度はしっかりと角は外していますから。」


うん。ちゃんと角は外しているね。でもね、燃えているんですよ。森林火災が目の前で起こっているんですよ。森林に火がつかないように立ち回った僕達の努力を返せー。


「<アクアウェーブ>。」


ツカネの魔法による水の津波で、森林の火は消え難を逃れた。あーあ、目の前には黒焦げになった森林の姿。ドイツには、黒い森を意味するシュバルツバルトという地名があったけど、それに類似している。というか、腐敗臭がヤバく、就寝は絶望的じゃないか!ええい、こうなったら。


「<創造魔法:消臭剤 フローラルな香り>。」


10000個出して、全力で腐敗臭を消しに向かった。そして1時間後、僕達の立つエリアにはあの燃えるゴミから発せされるような匂いではなく、花の香りが辺りを充満していた。これで今夜も...くつろいで熟睡できるな。


僕達はそれぞれで、テントを張った。数はラード、僕、女性陣の3つ。ラードさんには、快適な眠りをお届けする『寝袋』をプレゼントした。すると、またもや握手をして感謝された。彼は明日も僕達のために頑張るんだ。しっかりと睡眠を取って欲しい。さて、僕の方も<創造魔法>で創った布団に横になってと。おやすみをした。ちなみに、野営中は絞り取りいつものを禁止にさせた。まあ、聖国に到着したらその分の埋め合わせ絞り取りが待っているんだけどね。


◇◇◇


時刻は3:00。特に何も変わりなく、僕はぐっすりと眠っていたが、ふと目を覚ました。足の方に何かが当たっている。石?それにしては柔らかい...。ならば、草か土だろうか?


ヒィッ。動いた。モゾモゾとしている。動物か?それは次第に、僕の上半身の方にゆっくりと近づいていき、それに従って、布団が膨らんでいく!?


ヒィィィ!手だ!手の感触だ!怖い怖い怖い!誰だよ、本当に誰だよ!動いていたそれは、僕の胸の所で止まった。正直、もう嫌な予感しかしない。心臓がバクバクする。布団の中に確実にヤベー奴がいると警告している。だが、もう引き返せないのだ。


意を決して僕は布団を...めくった。するとそこには



















「キャアアアア。」


桜色の唇をニチャァ~と歪ませた彼女の手により、僕は布団の中に引き摺られ、<静寂>、<時間操作>、<記憶操作>のお得な3点セットを発動した地獄の空間に捕らわれてしまった。


「イチロウさん。言った筈です。逃がさないと。野外は始めてのシチュエーションで、とてもドキドキしますね。イチロウさん、



















アイシテル!アイシテル!アイシテル!アイシテル!アイシテル!アイシテル!アイシテル!アイシテル!アイシテル!アイシテル...」


この後、僕は味見、キス、絞り取りをそれぞれ1年分ずつやられた。


ーーー


次回、テンプレ発動!

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