奇説二天記
奇水
序.
機に臨み變に應ずは良將の達道なり。武を講じ兵を習ふは、軍旅の用事なり。心を文武の門に游ばせ、手を兵術の場に舞はせて、名誉を逞しうする人は、其れ誰そ。播刕の英産、赤松の末葉、新免の後裔、武藏玄信、二天と号す。想ふに夫れ、天資曠達にして細行に拘らざるは、蓋し斯れ其人か。
(現代訳)
機に臨み変に応じる(臨機応変)は、良き将の道に通達したることである。戦闘を工夫し武器に習熟するのは、軍隊兵士のなすべき事である。心を文武の両門に游ばせ、手を兵術の場に踊らせて、名も誉れも盛んな勢いである人、それは誰か。播州生れの優れた人物、赤松の末葉、新免の後裔、武蔵玄信である。彼は二天と号した。想うに、生れつき心が広く、こまかい物事にこだわらない大らかさをもっていたのは、まさにその人か。
『小倉碑文』より抜粋。
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