ダンジョンで襲われてる人達を助けたら学園アイドルに囲まれた
桜蘭
出会いと騒ぎの発端
第1話 女神達を救うと面倒になる
その日…私は、私達は死ぬはずだった…
ダンジョン配信、私達5人はPTを女性だけで組むGodDessといつの間にか呼ばれる様になったPTを組みながらいつものダンジョン配信を行っていた。
幸月姉さんをリーダーに美少女PTとしてそれなりの人気がある。
その日も順調に進みながらこれから下層に向かおう!と言う所でイレギュラーに遭遇した。
私達の前に現われたのは首無しで西洋の騎士の鎧を着て虎?ライオン?狼?大型の獣に乗ったデュラハンと呼ばれるSS級のモンスター。
それは、下層よりも更に下、深層の更に下の深淵と呼ばれる場所に出ると言われているモンスター。
普通は…図鑑や映像でしか見る事の無いモンスター。
私達がどれだけ束になっても敵わない相手、軍隊が出動するレベルのモンスターだった。
「こ、こいつは…まさか…」
:なんだこいつ?!逃げて!!!
:深淵のモンスターだ!前に図鑑で見た!多分デュラハン!
:ちょ?!何でそんなもんが中層の最後に出てくるのさ!!!
:イレギュラーって事だろ!!!そんな事は良いから早く逃げて!!!
:いや…ここまでだ…ここでこの5人は死ぬ…
:そんな事言うなよ!早く逃げろぉぉぉぉぉ
「観月…最初の一撃だけは何としても防ぐから…全員を連れて逃げて。」
「幸月姉さん?!無理って分かってるよね?!」
「幸月姉さんやだよぉぉ…逃げるなら皆で逃げないと…」
「無理なの分かってるでしょ?紗月。優理、茉奈…二人をお願い…」
「くっ…分かり…ました…」
「絶対に戻ってくるって約束して!じゃないと許さない!!!」
「優理も茉奈もありがとうっ。こんなところで死んでたまるもんですか!私はまだ恋もしてないのに死ぬ気は無いんだから!!!行って!」
「グルルル…ガァァァ!!!」
一瞬…一瞬だった…獣の叫びの後、瞬きすらも出来ない瞬間にデュラハンは幸月姉さんに肉薄した…
「ぁ…っっ。」
逃げようとしていた私達も油断も慢心もしていなかった姉さんの目の前に移動したデュラハンは西洋剣を振り上げ…見えない速度で振り下ろした。
ギィンッ!と、甲高い音が響くのと同時にドゴンッ!と大きな音がしてデュラハンは蹴り飛ばされ、幸月姉さんの前には一人の同い歳位の男の子が刀を無造作に持ちながらデュラハンを睨みつけていた。
------------------------------------------------------------
「ふぅ…今日はこんな所かな…」
ダンジョン下層で、いつもの間引きと素材集めを熟す俺、
本来であれば未成年はダンジョンの成果を換金は出来ないが…俺みたいにモンスターの氾濫で親も親戚も失った孤児は特例で免許が配布されている。
「買い取り額は1/10とは言え…下がっていけば下がって行くほど素材の価値は上がるから1/10の額でも大金だしな…」
帰宅準備…落ちた素材をアイテムボックス効果のあるポーチに仕舞い中層に向かい歩を進める。
「ん…?気のせい…か…?」
キャァァァァァァ!!!!
「気のせいじゃない!!!悲鳴だ!」
ドンッ!と床が弾ける程のスピードで急いで向かった先には…深淵のデュラハンが一人の女の子に剣を振り下ろす瞬間だった。
「間に合えっ!」
間に入り込みギィンと刀で西洋剣を受け流す。
「はぁぁ!!」
ドゴン!と音が鳴るほどの勢いで狼の部分を蹴り飛ばし距離を取らせた。
「無事か?」
無造作に刀を持ちながらも隙無く睨みつけながら無事を確認する。
:誰?!でも助かった!!!
:はぁぁ?!デュラハンの剣を受け流して蹴り飛ばした?!
:何だあいつ!!!俺の幸月ちゃんに話しかけやがって!!!
:助けられた事を喜べよ!きめぇよ!
:まぐれで受け流して蹴り飛ばせただけじゃんーwwwww死体が一つ増えただけw
「あ、ありがとう…じゃない!逃げないと!!!」
「いや…あれは深淵のデュラハンだ。逃げられないよ、離れててね?直ぐに倒すから。」
「幸月姉さん!良かった…良かった…」
幸月…?幸月って…神代3姉妹の…?
「観月、紗月…戻って来ちゃ駄目だよ…」
観月に紗月って事は確定だな…助けられたのは良いけど…面倒なのに関わったなぁ…
「3人共!今は下がるよ!早く!」
「え、あ…うん。優理ちゃんと茉奈ちゃんの言う通りだよね…その、君?大丈夫…なの?」
「良いから下がれ、正直邪魔だ。」
:はぁぁぁぁぁ?!邪魔とか何様?!特定まだー?!殺すわ!!!
:いやいや…捕まるぞお前?普通にデュラハンの相手するなら邪魔だろ実際
:こいつを生贄に早く逃げて!!!
ちらっと見えたドローンが表示してるディスプレイにはきもい奴等のコメントが流れて行くのをチラっと横目で確認だけして直ぐにデュラハンへと視線を戻した。
「む…?乗り物は死んだか…?」
騎士部分だけが立ち上がりこちらの様子を見てるけど…襲い掛かっては来なかった。
「へぇ…騎士なんだな…良いね。」
俺は鞘に刀を仕舞うとしっかり騎士を見据え…一つ頷いた。
------------------------------------------------------------
皆に引っ張られて、距離を取った…
私を助けてくれた男の子が一撃で乗り物部分の獣を倒してしまった彼が騎士部分と向き直ってる。
「大丈夫かな…?逃げるのは流石に…だよね?」
「コメントがマジでくそ…生贄にして逃げろとか俺の幸月に話しかけて云々とか彼氏面の気持ち悪いのも多い。」
「本当の事言っちゃ駄目よ?紗月…スクショしておいてね?」
「その辺はばっちり証拠は押さえてあるよ。」
流石にその辺は良く分かってるね。
それにしても…騎士部分はしっかりと騎士だ…決闘の礼を取ってるし…頭無いけど…
「何か…騎士の決闘みたいになってる?」
「なってるね…優理の言う通りに…」
ガチャン!と音を置き去りにして騎士が動いた!
私の目には見えない剣のラッシュ…一撃一撃が私達じゃ死の一撃なのに…
「なにあれ…全て紙一重で避けてる…?残像?で斬られてる様に見えるけど…」
茉奈の言う通り…早すぎて二人の残像が凄い事になってる…斬られてる様にしか見えないのに…全て避けてるんだよね?あれ…
「どんな事すればあんな事出来るの…?」
優里の言う通り、全てを紙一重で避ける…これは血の滲むような修練を熟せば出来る様になるかもしれない…でも、一歩も動かずに何て不可能……
「凄い…凄い!凄い!何あれ凄い!」
紗月が凄い関心して見てるけど…確かに凄いけど…そこじゃないでしょ…
「あの人は…まさか…?」
観月が何かに気付いた…?知ってる人?
「ねぇ、観月…彼さ…」
「うん、篠崎くんだよね…?」
「ですよね…?どうみても篠崎くんですよね…?」
「知ってるの…?彼の事…」
「う、うん。篠崎柊羽くんって言うクラスメイト…何時も隅で静かに過ごしてる人かな。」
「何処か不思議な雰囲気がある人だけどね。話しかければ普通に答えてくれるしねー。」
「って…優理ちゃんどうしたの…?ぽけーっとしちゃってるけど…」
「えっ///な、何でも…あっ!今…なにしたの…?」
うん、分からない…いや、やった事は分かるんだけど…斬撃の中に斬撃が見えたんだけど…?それに斬る瞬間の凄い衝撃波…
話ながらも目は放してなかった私達の目に飛び込んで来たのは、たったの一撃…たったの一撃でデュラハンを切り捨てた…
「ふぅ…良い戦いだった。戦えた事に感謝を…」
その言葉を聞いたデュラハンは何処か満足そうな雰囲気で粒子に返って行く…
:は…?何をしたんだ今…
:一撃?戦車の一発すら無傷で耐えきってS級の探索者の一撃すら無傷って言われるデュラハン相手に…?
:いやいや!それもだけどその前の!全避けって意味分かんねぇ!
:何が起きてるのかさっぱりだったんだけど…え?CG?
:GodDessの生配信だぞ?!CGも合成もねーよ!
:だったら何か?!デュラハンの攻撃を全て紙一重で一歩も動かずに避けて、一撃で切り捨てたってのか?!それこそねーよ!
:それが事実だよ!何なんだあいつ?!
「そっちは無事か?」
「う、うん…ありがとう…君は大丈夫?」
「凄すぎ!!最後何したの!?」
「篠崎だよね…?探索者だったの?」
「あぁ…俺はほら…孤児だからな。生活の為に探索者やってる。」
「ご、ごめんっ!知らなくて…」
「良いよ。話した事も無いしな、それよりも皆は本当に怪我とかしてない?」
:孤児って…それで探索者しても生活できねーだろ?
:いや…特例の措置があるから換金も出来るんだろう
:だとしても1/10だろ?どっちにしても生活出来ねーよ
:上層ならな?中層とか下層とかに篭ってればって事でしょ
「あの!あの!最後のってなんなんですか?!何をしたんですか?!」
「そ、そうだよ!何したの?一撃でデュラハンを切り捨てるとか…」
「あぁ…斬っただけだけど?」
「だーかーらー!戦車の一撃もSランクの一撃ですら傷がつかないって言われてるのにどうやって?!」
「ん~…一撃で駄目なら斬れる回数の斬撃を斬撃に内包して斬れば良いだけじゃん?2回分で駄目なら3回分、それでもだめなら4回分とかって感じでさ。」
「「「「はぁぁぁぁぁぁぁ?!?!?!」」」」
「意味が分かりません…篠崎くん…」
:言ってる事は分かるけど理解出来なくて草
:斬撃の中に斬撃を内包すれば良いんだね!…分からん!
:そうか!斬撃を内包するから防御無視で斬れるのか!!!………出来るかぁぁぁぁぁ!!!!
私達もだけど配信のコメント欄も大混乱になったまま暫く静かな時間が過ぎて行った…
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
あれです、二〇の極みと燕返しの合わせ技って考えてくれればいいですw
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます