蠍座の星獣
(この子を、守らないと!!)
背後にいるアストレアを見て、昂輝はオライオンに立ち向かうことを決意する。
昂輝の覚悟を感じ取ったのか、ジンが彼のとなりに立つ。
「ナナナ!!」
「コウキ! ジンが“力を貸してやる”って!」
「――え?」
ジンの言葉を、アストレアが昂輝に伝える。その内容を聞いて、昂輝は問い返す。
「“力を貸してやる”って…」
「“
「…“星の力”」
昂輝はジンに視線をやる。ジンの赤い眼は昂輝を見定めていた。――昂輝は、力強くうなずく。
「力を貸してくれ、ジン。おまえの力を…!!」
「ナー!!」
瞬間、ジンが蒼い光に包まれる。光が弾け飛んだとき、彼の姿は
「…え?」
ジンが
「これを左手首に付けて! 腕を高く上げて、“変身”って叫んで!」
「お、おう! わかった!」
アストレアに言われ、昂輝は
「――変身!!」
昂輝の声に反応し、
「あれは…」
変身した昂輝を目の当たりにして、オライオンは絶句する。だが、それ以上に驚いたのは…。
「
刹那、目の前にいたはずの昂輝の姿が消える。
「…なにっ!?」
オライオンが気づいたときには、昂輝は彼の後ろ側に立っていた。――
オライオンは昂輝に向けて
昂輝が
(たった一撃で、俺の武器と鎧を破壊しただと!?)
あっけにとられているオライオンに、アストレアは告げる。
「ジンは、選ばれし十二体の
神に
そのひとりであるジンは、
「
オライオンは、ジンが地球人の昂輝に力を貸したことが信じられなかった。ゆえに“裏切り”とののしる。
昂輝が変身を解除すると、ジンは
『裏切りではない。俺の任務は姫さまの護衛。そもそも
落ち着いた
『俺のことよりおまえは自分の
ジンがため息をつく。
オライオンが
昂輝たちが上空を見上げれば、小型の
それを見て、オライオンは強気の態度で叫ぶ。
「ガハハハハ!! 本隊からの増援だ! これで貴様たちも終わ――ッ!!」
高らかな笑い声が途切れる。なぜなら、上空から垂直に降りてきた銀髪の男性が、オライオンを踏みつぶしたからだ。
「…これはどういう状況でしょうか?」
男性はオライオンを
「説明していただけますか? 姫さま」
男性に説明を求められ、アストレアは苦笑いを浮かべた。
星剣のスコーピオ 鷹夏 翔(たかなつ かける) @kakeru810
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