第15話 おっさん、ランクアップ再び(2)

ヤノシュさんに教わりながら、おっかなびっくりスモールボアを解体しているうちに、他に持ち込んだ全てのスモールボアの解体が終わっていた。


「うむ。初めてにしてはなかなかうまくできているぞ!このくらいなら買取価格は下がらないだろう」

「ありがとうございます!」


スモールボアの解体を終えてみて、なんとなく自分の解体技術がはじめよりも上がったような気がした。後でステータスを確認してみようと思う。


「ボア系なら基本的に構造は変わらんから、今後も1人で解体できるだろう。また何かわからないことがあればいつでも聞きにこい!お前は教え甲斐があるな!」

「ヤノシュさんの教え方が上手いからこそですよ!ありがとうございます!もし自分で解体する場合、ギルドの場所を借りることってできますか?」

「ああ。基本的にギルド優先ではあるが使えるぞ。1回銅貨5枚で1スペースだ。解体用ナイフの貸出もあるが、1回銅貨2枚で、万が一壊れたりしたら弁償になるから、自前のを用意したほうがいいぞ…ほい。これが2体分の肉だ!それ以外は買取で受付に伝えておくから、他に質問がなければお前は先に受付に戻っていいぞ」

「はい!色々とありがとうございました!」


ヤノシュさんにお礼を言ってユリアさんの待つ受付に向かう。

スモールボアの可食部は思っていた以上に多かったようで、かなりの量の生肉をゲットした。


「ユリアさん戻りました!」

「ヒロさん、お疲れ様です。とりあえずランクアップの手続きをしちゃいましょう!水晶玉を出してください!」


前回と同じように水晶玉を置くと、やがて綺麗な青色に変化した。


「C級への昇格、おめでとうございます!この調子でヒロさんならすぐにB級に上がれると思いますよ!B級になるためには、いくつかの護衛依頼をこなす必要があるので注意してください。C級の依頼も今まで通りボードに貼ってあるので是非確認してみてください!」

「ありがとうございます!これからも無理せず頑張りますね!」

「それから、今回の報酬の件ですが、スモールボアの買取価格の変動はないとたった今連絡があったので…ゴブリン7体分の依頼料と魔石代で銀貨28枚、スモールボア12体分の依頼料が銀貨24枚、魔石代11体分で銀貨22枚、10体分の肉が訳200kgほどあったので、金貨40枚…合計で、金貨47枚と銀貨4枚ですね!」

「すごいたくさんですね!」

「普通の冒険者の方は、スモールボア12体も一度に運ぶことはできないので、D級の中ではかなり稼げていた方だと思いますよ!」


ニコニコと美人なユリアさんに褒められて悪い気はしない。

報酬を受け取り、用も済んだのでお礼を言って宿に戻ることに。

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