漫画やアニメみたいな

そう、私が殺した。


私は心を整理するためにゆっくり思い出してみる。


そう、何時ものように彼女が怒って…


……あれは、なに?


覚えてはいる…けど…理解できない


「何で、彼女は壁に叩きつけられて死んだの?」


そう。

彼女は飛んだ

壁にヒビが入るほどの衝撃で


















「いい加減にしなさいよ!あんた!どんくさいし、ご飯も手抜き!!住まわせてやってんだから働きなさいよ!!」



住まわせてやってる?

…あんたが産んだんだろ?


「あんたなんか産むんじゃなかったわ!あぁ~あ!!あんたが居なけりゃ父さん出ていかなかったのに!」



あんたが他で男作ったからだろ?

私は知ってる。

あんたの浮気癖で父が深く傷ついて居たこと

父があれだけ狂ったのはあんたのせいだってこと

…父は私に暴力は振るわなかった。

大人しい人だった。

その代わり自分を傷付けてた。

限界まで働いて働いて働いて働いて働いて働いて働いて疲れを忘れるようにお酒を飲んで

それでも私と自分の分のご飯を作っておいてくれた

そんな聖人のような父にも…ある日限界が来た。


父は出て行った。

私を置いて。

でも、私は恨まなかった。

世界で唯一優しくしてくれた父を

私は恨めなかった。



「聞いてるの!?話を聞く能力も無いの!?」


「能力…か」


私は呟いた。

漫画やアニメで見たみたいな凄い能力…力で

この女を…


「殺せないかな…」


その時だった


彼が私の前に現れたのは


銀髪の少年だった

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る