葵さんは嘘を吐かないし真っ直ぐにキモい。
風来坊セブン
1章「葵さんはキモい」
第1話「佐久間葵という少女」
高校2年生といえば、学校生活にも慣れて友達も出来て部活に熱中したり遊びに夢中になったりする年頃。
特に6月といえば夏が始まり気分も浮かれる。
俺は友達の
「諸星、あれ見えるか。葵さんがいる」
指差す方向には公園があり、屈んでベンチの下を覗き見る少女がいた。
彼女は
「真木、もう行こう。」
「おい、葵さんは
ニヤニヤと笑う真木の脇腹を小突き、俺は好奇心に勝てず葵さんの元へと歩み寄った。話しかけたらキモいことになる。分かってるんだ。
「おはよう。葵さん。何してるんだ?」
彼女は立ち上がると、少し汗ばむくらいの夏風に天然でウェーブがかった黒く長い髪を揺らし微笑んだ。
ここまで見れば美しさに見惚れてもおかしくない。現に俺は偶に見られる彼女の美しさに心奪われることがある。
「おはよう善君。見て、カラスが食べ散らかしたカエルの内臓よ」
手に持っていたのはグロの塊だった。
「ェアアアアア!!!!!????」
キモい夏が始まる。
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