合宿

バブみ道日丿宮組

お題:急な小説合宿 制限時間:15分

「明日から合宿するわよ!」

 部室に到着するなり、部長が言い放つ。

「合宿ってなんです?」

「それはね、合宿よ!」

 概念かなにかだろうか。それとも他の意味合いがあるのか。

 例えば、

「二人だけの合宿って、旅行じゃないですかね」

「今えっちなこと考えたでしょ」

 部長が人差し指をこちらへと向ける。

「そういうことも含めて合宿なんじゃないですかね。あ、避妊はもちろんしますよ」

「今度は何枚使う気なのよ!?」

 机が叩かれる。

「そんな毎回たくさんやってるような言い回しは良くないと思います」

 えっちは3、4回当然してる。

 これが2日おきとなると、出費はでかい。

 高校生という身分はアルバイト制限はあるし、お小遣いも多くない。

 ラブホテルでえっちするなんて夢のある世界。

 だいたいがこの文芸部の部室でのえっちになる。

「私の気もしらないで、ずっと攻めるじゃない!」

「いつもだいぶ気持ちよさそうな顔と声してますよ?」

 うううと唸る部長。可愛いなぁ。

「それで合宿でしたよね? 内容はなんですか?」

「文章力を高めるっていう……」

 もじもじとしはじめた。

「えっち力を高める?」

「ち、違うから! そんなことは、ちょっとしか期待してないんだから……」

 期待されてるのか。

 俺の性欲はいけるか? 思わず股間を見る。当たり前だが、まだ成長はしてない。

「私の家で合宿だからね!」

「あっ、明日からおばさんたちがいないんですね」

 それで家に呼びたいのか。

「そ、そうだけど……なんでわかるの?」

「そりゃ、恋人ですから」

 何度も同じことをされれば、誰だって覚えることだ。

 それにしても家か。

 家なら、普段やってないようなえっちができそうだな。

 あっ、反応し始めちゃった。

「あ、新しい下着……買ったの」

 左右の人差し指をくっつけてははなしを繰り返してる。

「えっちなのですか?」

「違う。ふ、普通のフリルがついたやつ」

 ここでそうなんですかと返すのは簡単だ。

「やっぱりえっちなんですか」

「だ、だから、違うってば! ピンクはえっちじゃないから!」

 なるほど、ピンク色なのか。普段の黒もいいけど、やっぱりシンプルにピンクも捨てがたいよね。

「そ、それで、いけるのかしら?」

「用はないですね。じゃぁ明日行きますね」

 お泊り道具は常時部長の部屋にある。

 用意するものは何もない。あるとすれば、健康な肉体というべきか。

「そ、そう」

 それからは、二人だけの時間を過ごした。

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合宿 バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri

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