はるのひみつ
春の匂いがした。
それは花がうまれる匂いだ。
爽やかな命の香りだ。
冷たくも柔い世界の中で、
萌木色の草を踏みしだいて歩く。
行け、ぼくらの待ち望んだあおだ。
進め、ぼくらの待ち望んだ空だ。
優しい灯りが目を閉じてしまう前に、
寝ぼけ眼の砂場で歌おう。
ぼくらのための城を作って、
秘密のホールでワルツを踊ろう。
さぁ動け、ぼくらの待ち望んだ朝だ。
走れ!
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