キノコハウス

読天文之

第1話ウワサの家

今日から冬休み、ぼくは一週間前からある計画をみんなと立てていた

そして下校中、友だちの幸田こうたとその計画について話した。

「ねえ、明日の計画忘れてないよね?」

「もちろんだよ、キノコハウスを調べるんだろ?」

キノコハウス、それはぼくの町にある変わった家のこと。

赤い屋根に白い斑点模様はんてんもよう、まるでマリオに出てきそうな感じのキノコだ。

ぼくの家から学校までの通学路の途中にあり、登下校のたびにずっと見ていた。

キノコハウスには看板も表札もないため、一体何の家なのか、今までいろんなウワサが流れていた。

「魔女が住んでいる。」

「中に入るとふしぎな世界に吸い込まれてしまう。」

「中に入るとキノコになってしまう。」

独特な形をしたその家、その中は実際どうなっているのか突き止めるため、ぼくは幸田たちと一緒に探偵団を結成。ぼくたちでキノコハウスの謎を解決してやるんだ!

「ああ、明日の十時にキノコハウスに集合だよ!」

「うん、他のみんなにも知らせておけよ。」

ぼくはわかったと言うと、他のみんなにも明日のことを伝えた。

キノコハウスに突入するのはぼく・幸田・田中たなか真由美まゆみ安野あんの原田はらだ武之内たけのうちの七人。

これだけの仲間がいれば何があってもだいじょうぶだ。

「待っていろ、キノコハウス。ぼくたちが正体を目撃してやるからな。」

ぼくは下校中、キノコハウスを見上げながら言った。

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