06-09 教えて、教えられて、(二)

「特別に、あなたを上官として認めてあげましょう。

 公開セックスが趣味の変わり者と聞きましたが、実力は本物です」


「コンニャクで自らを慰める変態と聞きましたが、タイジ様が師匠と仰ぐだけの実力はあるようですね」


 ・・・君たち、その話、どこから聞いたのかな?

 まあ、オレが投射魔法だけでなく身体魔法にも精通しているのを示せたし、二人に『師匠』、及び『上官』として認めさせたのは良かった、・・・のだと思おう。

 そんなことで、やっと魔法講義に入れた。

 講義に入ったら、テスナもオルジェイトも意外と積極的だった。

 実は二人ともファイアーボールは撃ってみたかったらしい。

 で、ついでにタイジに身体魔法を覚えさせることにした。

 タイジは一応、牙族で、体力は並みの兵士よりあるのだが、テスナ、オルジェイトの白虎コンビには全然かなわない。

 二人の従者も虎系牙族なので、将来を考慮すればタイジは身体魔法を覚えて、虎系牙族基準の行軍に耐えられる体になるべきだろう。

 そーゆーことで、タイジが投射魔法を二人に教え、二人がタイジに身体魔法を教え、それをオレが監督する形に。


「僕が教える方なんて、それもスラウフ族長の娘になんて、無理だよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ」


 いきなり泣きが入るゲレト・タイジ君。

 まだ、マリモになる癖、治ってなかったのね。


「お前、将来故郷に帰ったら確実に教える方に回るんだぞ。

 今から慣れとかないと拙いだろ」


 宥めすかして、何とか魔法講義を開始、・・・すいません、その前に基本的な科学知識講座が有りました。

 牙族のお姫様も科学知識は無かったようでして。

 考えてみればタイジは最初から一定の科学知識はあった。

 ネディーアール様も大丈夫だった。

 二人とも施薬院の入講資格があったわけで人体知識と科学知識もあった、ということなのだろう。

 タージョッもアシックネールもトゥルーミシュも同様だ。


 しかし、参った。

 物質には固体と液体と気体の三形態が有って、・・・水は摂氏零度で氷となり、摂氏百度で水蒸気となる、なんて所から教えなければならない。

 更に、問題なのは、どこまで分かっていて、どこから分かっていないのかが不明という事だ。

 基礎学力試験で実力把握から始めねばならないのかと、うんざりしかけたその時に救世主が現れた。

 ハトンである。

 現在十二歳だが、既に施薬院に入講している才女。

 当初はタージョッと同程度の魔力量しかなかったハトンだが、毎日、地道に特訓した結果、現在では正魔導士、それの上の方まで伸びている。

 カゲシトの商人の娘で一般人の科学知識レベルを熟知している人材だ。

 そして、ハトンは身体魔法も投射魔法も使えるのだ!

 補佐役に任命したら、やたらと張り切って教えだした。

 何時の間にやら、騎兵小隊長のスルスー・メニアクも生徒として参加している。


「自分もぉ、ファシサービョール、つさいたいてぇすからー」


 ファイアーボールが使いたい、ね。

 コイツ、正魔導士程度の魔力量はある。

 元々、体格が貧弱で身体魔法での体力底上げにも限界があるため、投射魔法に興味があったらしい。

 上位階級の娘二人が生徒という状況にビビっていたタイジが大歓迎で受け入れた。

 上位階級って言っても二人ともタイジの妻なのだが。

 オレが作った教科書を基にタイジが講義して、ハトンが補足する。

 三日目ぐらいからはタイジも頑張って教え始めた。

 自分の講義時間が短いと、身体魔法の勉強時間が多くなる。

 身体魔法の時間になるとメニアクは離脱するし、テスナたちの教え方はスパルタだ。

 投射系魔法の講義時間、勉強時間を可能な限り長く取るのが得策と判断したのだろう。

 まあ、講義の半分以上をハトンに頼っているのではあるが。


 ハトンの教え方は丁寧で柔軟だ。


「心臓の直上、上行大動脈の周囲に『マナ節』と呼ばれる臓器が有ります。

 体内で産生されるマナの大半がここで生成されます。

 身体魔法の場合はここで産生されたマナを体の隅々に循環させる、行き渡らせるようにします。

 一方、投射系魔法の場合はマナをマナ節にぐっと押しとどめ、手の先から一気に放出する形になります」


「マナは守護精霊によって人に与えられる物であろう」


「・・・その守護精霊が宿っている場所が、『マナ節』という場所なのです」


 テスナたちの主張する宗教要素を否定することなく、うまく教育している。

 オレだったら、・・・つーか、オレ、『精霊なんて忘れろ!』って毎回怒鳴ってた記憶がある。

 それを受け入れる奴しか生徒にしていなかったんだな、・・・ちょっと反省。

 そんなことでハトンは妙に生徒に懐かれている。

 オレよりも、タイジよりも、ハトンが崇められているのは気のせいか。

 しかし、・・・だね。


「ハトン殿はまだ十二歳なのですね」


「我より年下で、それだけの魔法を使いこなすとは、末恐ろしいな」


「はい、ご主人様は学問にも魔法にも精通されておられます。

 私はそのご主人様に毎日、丁寧に『調教』して頂いているのです」


 ハトン君、褒められて自慢したいのは分かるが、二言目には『毎日、調教されている』と強調するのはどうなのかな。

 毎回、テスナとオルジェイト、更にスルスー・メニアクと、何故かタイジまで微妙な顔になるのだが。


「真の淑女になるためには、十代の初めからご主人様の丹念な調教を受けることが絶対的に必要なのだそうです。

 私はエディゲ・アドッラティーフ帝国宰相閣下から、調教に素直に従う姿は立派だと褒められたのです」


 あー、確かにハトンって、エディゲ・ロリコン宰相に直に声を掛けられていた。

 妙に、褒められていた記憶もある。

『淑女のしつけ方』なんて変な本も貰っていた。

 ・・・あの調教本、直ぐに捨てるべきだったか。

 商人の娘であるハトンが帝国宰相の教えを否定できるわけないけど、・・・ないけど、・・・・・・。


「タイジ様、ハトン殿はまだ成人前ですよね。

 牙なしの宰相は成人前の少女を調教するのですか?

 我らには理解できない風習です」


「テスナ様、幾らなんでも帝国宰相が幼女趣味など有り得ないでしょう。

 あれはカンナギがそのように言いくるめているのでは?」


「僕もそこら辺は良く分からないけど、残念ながらキョウスケが幼女趣味なのは事実だよ。

 キョウスケは十五歳で最初の妻として当時十一歳のハトンちゃんを選んだんだ。

 ハトンちゃんはいい子だけど、普通、最初の女性は年上を迎えるよね」


 君たち、陰で何コソコソ話してんのかな?

 大体、オレはハトンを調教なんてしていない。

 濡れ衣もいいとこだ。

 このパターン何回目だよ。

 もういい加減、断ち切ろう。

 そりゃ確かに、おしゃぶりとゴックンは毎朝の習慣、・・・最近は一日二回になっているが、ハトンが是非ともと頼んできたから許しているだけだし、風呂に一緒に入って体を洗ってやるのも単なるスキンシップだ。

 まあ、おしゃぶり技術が向上しているのは認める。

 体の方も毎日、コツコツと魔力路の通りを改善してやり、マナ節の賦活化をしたから、魔力量も増え、マナの通りも良くなり、感度も向上して、良い声で喘ぐように、・・・・・・・・・・・・・アレ?


「ご主人様、ハトンは今日も頑張りました。

 頑張りましたから、ご褒美にたくさん調教してくださいね」


 オレの戸惑いを他所に、ハトンは今日も絶好調。


「そ、そうだな、ハトンは毎日頑張っているから、今日はゆっくりと休んでもいいんだぞ」


「だめです。

 調教は毎日、欠かさず行うのが大事だって宰相閣下も言っておられました」


 だから、みんなの前で、調教、調教って。




「ハトン殿、痛々しいですね」


 テスナが後ろでかぶりを振っている。


「しかし、幼女調教趣味を帝国宰相にかこつけるとは」


 オルジェイトは眉をひそめている。

 少なくとも、かこつけてはいないのだが。


「ハトンちゃんは頭の良い子なんだけど、思い込みが激しいからね」


 タイジ、君も思い込みが激しい。


「うむ、私は自ら色々と試したが、ハトンはキョウスケに直に調教して貰えるのは良いな。

 羨ましいぞ。

 私も十代の初めから調教してくれる男が欲しかった」


 横にいたジャニベグが極めて肯定的な意見を大真面目に披露する。

 ・・・・・・何かが根本的に間違っている気がする。

 つーか、オレ、どこから間違ったんだろう?

 ま、まあ、深く考えるのは止めとこう。




 ちなみに、タイジとは何回か二人だけで話している。

 仕事の話として、二人だけになる機会は作れる。

 ただ、残念なことに『誤解』については改善が見られない。

 タイジが下手にオレに好意的なのが頭の痛い所だ。


「大丈夫だよ、僕、キョウスケの趣味は理解しているから」

「才能のある人は多少変わった趣味が有っても許されるよ」

「幼女趣味はカゲシンではポピュラーみたいだけど牙族では珍しいから、注意してね」

「一人で処理するって話、コンニャクとかはあんまり大きな声では言わない方がいいよ」


 ニコニコ顔で忠告してくれる。


「キョウスケ、そろそろ時間だ、ヤルぞ!」


 困ったことに魔法講義が長引くと、ジャニベグが侍女を引き連れて迎えに来る。

 ジャニベグと彼女直率の侍女二人、三人ともマントにブーツだけという例のスタイル。

 一応、マントの下には、苦難の交渉の結果、下着は身に着けてもらっている。

 この侍女二人、オレの側夫人候補らしい。

 側夫人まで露出趣味で揃えなくても、・・・二人とも見た目女性で、Cカップだったから一応受け入れはしたけど。

 ちなみに、二人とも、既に『膜』は処理しており、ディプラーは『それなり』に使っていたそうで、・・・まあ、これぐらいで拒否してたら、後がないからな。

 オレから見て女に見える容姿とそれなりの魔力量という段階で受け入れざるを得ない。


「キョウスケの病気、・・・じゃなくて趣味の中で露出癖は軽度の方だよね」


 タイジ君、その納得は何かな。

 しかし、・・・オレが毎日、三人以上相手にしてるのは部隊中に知れ渡っている。

 アシックネールが毎朝、前日の回数を誇らしげに発表するからな。

 その、・・・朝礼の席で、部下の前で。

 止めさせようとしたが、何故か、とても大事なことだと反論された。

 何故か、タイジまで、その方がいいと言う。

 何でだ?

 なんか、もうどーでも良くなってきたが。




 そんなこんなで、無心に魔法講義を繰り返していたら、何故か、レニアーガー・フルマドーグに呼び出されて説教された。


「カンナギ殿もゲレト上尉も、新婚で、妻たちの要求が多いのは認めるが、もう少し部下にも気を使ってくれ。

 中隊長、中隊副長が揃って独身女の面倒を見ないって、拙いだろう。

 部下の不平が俺の所にまで来てるんだぞ!」


 何か知らんが、メチャ怒っている。


「特に、カンナギ殿。変態好色家の汚名を返上したいんなら、普通の女と普通のセックスをしとけよ!」


 ・・・オレ、変態好色家、なのか?

 汚名返上のためにセックスする?

 そもそも、オレ、行軍中にそんなに悪いことしたのだろうか?

 そりゃ、セックスはしてるけど、・・・部下とはしてないけど、・・・。

 してないけど、・・・。


「だーかーらー、毎日、妻たちと十回以上ヤってんなら、一回ぐらい部下に回せってことだよ。

 常識だろう!」


 毎日、十数回って、そんな色情狂みたいに。

 誹謗中傷もいい所だ。

 オレの一日の回数なんて、ジャニベグが、前と後ろと口で一回ずつ、アシックネールも同じで、ハトンが口で一日二回、スルターグナは三日に一回、それも入れるだけ、・・・あー、あと、侍女が増えたんだった。

 ジャニベグ軍団もアシックネール軍団もスルターグナより魔力が有るからな。

 でも、ローテーションでやってるから、一日平均なら全員で一日一回か二回。

 あー、そー言えば、不定期にしゃぶられて飲まれているような、・・・。

 でも、合計したら、一日、・・・十回は超えてるか、確かに。

 でもね。

 そーは言っても、ハートマン軍曹とは出来ません。

 ブ〇ース・ウィリスも無理ですよ。

 そこら辺を正直に言ったら、更に激怒された。


「あのな、大きな声では言えんが、男はみんな、ヤリたくてヤってるんじゃない。

 仕事と割り切って、ヤってるんだよ!」


 レニアーガーがオレの耳元で、小声で、しかし、極度の怒りを含んだ声で言い放つ。

 軍隊には、平民出身で軍一筋の古参独身女性下士官が多数いるという。

 ある意味、彼女たちは軍の背骨で有り、彼女たちの機嫌を損ねると軍が動かなくなる。

 そして、彼女たちが最も求めている物が、男性、特に能力の高い男性との性交だという。


「ここだけの話、はっきり言っちまえば、軍に十年以上いる古参独身女性下士官なんて、士官に昇進する能力もない、男性士官に妻や使用人として求められる容姿もない、自分で身を立てる才覚もない、そんな、搾りかすだ。

 だが、下士官としての能力はそれなりだし、古株だから周囲に与える影響もデカい。

 彼女たちの機嫌を取っとかないと、軍が動かなくなっちまうんだよ。

 オレだって仕事じゃなかったら、絶対にヤリたくない。

 でも、ヤラなきゃなんない。

 お前、小隊長時代に何やってたんだ?」


 オレが小隊長だったのは、レトコウ紛争の間だけだ。

 そー言えば、あの時は、・・・マラリア対策とかでほとんど医療班にいたような。

 それを言うと、レニアーガーは頭を抱えた。


「じゃあ、今から、覚えろ。

 独身女下士官とヤルのは中隊長の義務なんだよ!」


 そうは言っても、・・・正直、できない。

 子細に見れば、・・・出来る出来ない以前の問題だ。

 今思えば、クロイトノット夫人が最初にオレに紹介してくれた女性たちは、確かに『見栄えが良い女性』だったのだろう。

 軍の平均的独身女性下士官、レニアーガーですらヤリたくないという女たち、はっきり言って酷いです。

 容姿が良かったら、とっくに売れている、というのは説得力が有り過ぎる。

 残った皆さん、・・・いっちゃあ悪いが顔面偏差値三五以下って感じで、体型もゴツイだけ。

 異世界チンピラ系の顔に大きな傷が付いた奴とかも普通にいる。

 そして、それ以前に、汚い。

 体臭もキツイ。

 オシャレのつもりなのか、変な香水、香油みたいのを使ってる奴もいて、それが混ざって吐き気を催す状況。

 こいつらと、ヤレと?

 まずは、風呂に入ってくれ。

 話はそれからだ!


「言っておくが、一回、風呂に入れたぐらいだと大して変わらんぞ」


 レニアーガーの言葉に心が折れまくる。


「・・・他の方法で褒美を与えるのはダメなのか?

 男性小隊長たちに、ヤッてもらって、彼らに金銭的に負担するとか」


「それは、一つの手ではある」


 出戻り第一夫人君は、しかめっ面で言った。


「その手を使う奴は結構いる。

 特に上位貴族で経済的にゆとりが有る奴はそれをやることが多い。

 ただなあ、カンナギ殿は、毎日、絶倫を誇示してただろう。

 毎日、十回以上とか、あれ、周囲を煽ってるとしか思えんぞ」


「いや、それ、オレが言ったんじゃないから」


「あのな、妻が言ったことの責任は男が被るのが普通だぞ。

 その場にいないのならともかく、同席している場合は、妻の発言を夫が許容していると見做される」


「へっ・・・そーなのか?」


 横を見たらハトンも普通に頷いていた。

 レニアーガーによると、カゲシン貴族社会では、いや、カナン大陸の大半では、女性、特に正夫人の言動は男性の物として見做されるという。

 正夫人と男性で一つのチームなのだ。

 逆に言えば女性の仕事も男性の功績として認められる。

 貴族ではしばしば男性は全く仕事が出来なくて、正夫人が仕事の大半をしている例があるのだが、それも男性の功績として認められるという。

 そのような女性を正夫人に迎えられる能力が有る、ということなのだ。

 タージョッやスルターグナはキャリアウーマン指向だったが、女性の能力が高ければ、それを見込んだ高位貴族から声がかかるのを期待していたらしい。

 逆に、正夫人が犯した失敗も男性の責にされる。

 ・・・思い起こせば、色々と、・・・赤毛のチャラ男シャハーンとか、オレがほとんど話をしていないにも関わらず、オレに侮辱されたと激怒していたが、・・・あれは、同席していたジャニベグの言動をオレの言動と見做していたわけだ。

 頭が痛い。

 しかし、だな。


「オレの場合は、オレより上位のとこから来てるから、色々と難しくて、だな」


「あー、それがあったか」


 レニアーガーが頷く。


「ある程度の男であれば、第一正夫人は上の階級から来る。

 それでも、その女の言動は男の責任になる。

 上から来た女でも、それなりに気を使ってくれる女が多いんだが、・・・まあ、ダメなのはダメだな。

 実を言えば、俺もそうだが」


 レニアーガーは経済援助目当てで、七歳年上の出戻り女を第一正夫人に迎えている。


「そーゆー女の場合は極力連れて歩かないようにするのが正しい。

 女が何かやらかしても、同席していなければ『後で言い聞かせておきます』で何とかなる」


 聞けば、そーゆー例は少なくないらしい。


「しかし、オレの場合、軍の指揮とかで必要だから」


「ああ、そう言えば、そっちの方面では優秀だったか。

 カンナギ殿の妻は軍人や文官としては能力が、それも高い能力があるからな。

 普通、ダメな女は全部ダメなんだが、・・・。

 始末に困る話だな」


 出戻り第一夫人君が、遠い目になる。


「だがな、根本的な話として、毎日毎日、十回以上とか、おかしいからな。

 そこんとこ、自重しなけりゃ話にならん」


「・・・えーと、カナンの男性は、平均で一日十回程度可能と読んだんだが」


 医学書にも書いてある。

 わざわざ医学書に書く内容かとは思ったが、病気で体力低下の場合、その度合いに応じての制限が妙に具体的で、世界が違うと納得した内容だった。


「いや、カナンの男性って、お前もその一人だろーが」


 そりゃまあ、確かに。


「一日十回って、それは頑張った場合だろう。

 一日二日ならともかく、三日以上、まして、五日も六日も連日十回以上って、絶倫過ぎるから。

 それも、あんな、魔力量の多い女相手に連日十回以上なんて勲章もんだから。

 そこまで、精力有り余ってるなら、少しはこっちに回せってなるから」


 ・・・え゛、そーなのか?

 いや、考えてみれば、地球でも、一日五回とか良く言われるけど、連日五回以上ってーのは、確かにすごいかもしれない。

 オレ、ひょっとして、絶倫?

 色キチガイ?

 そー言えば、ジャニベグにも一人では身が持たないとか言われたが、・・・。

 でも、オレ、女性陣に求められるままにヤってただけだし。

 ヤラなかったら、反乱というか、どっかで男くわえ込むというか、もっと頭の痛いことになるような、・・・アレ、オレ詰んでない?


 これ、どーしよう。

 いや、どーしようと言う前にも問題が有るような、・・・。

 根本的な所に問題が有るってことだよな。

 三分ほど悩んだが、意を決して、レニアーガーに、教えを乞うた。


「はぁ?

 何が悪いのか分からない?

 常識が良く分からない?

 どこまでが正常で、どこからが異常なのか教えてくれって、マジで聞いてるんですか?」


 冗談っぽく流されそうになったので、高めのワインと金貨のお礼をちらつかせて、懇願した。

 いや、オレだって流石に反省はしている。

 これまで、こちらの常識という奴をそれとなく収集していたが、どうしても齟齬が出る。

 何度、恥を掻いた事か。

 今現在も、それで苦境に陥っている。

 これまでは、自然に身に着くと高をくくっていたが、どうもダメ、なんだと思う。

 ここまで来ると、恥も外聞もなく、教えを乞うしかないだろう。

 もう、これ以上、常識の差異で失敗するのは避けたい。

 レザーワーリの件も、あいつが変態だと判定できていれば、オレが変態の濡れ衣を着せられる事はなかった。

 レニアーガーは適度に年上で、下級貴族出身の苦労人。

 教えを乞う相手としては最適だろう。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る