第5話秋人side

「秋人様おはようございます。」


「おはよう拓海。」


「今日は珍しく機嫌がよろしいですね。」


「そりゃ、今日から綾ちゃんと同じ学校でしかも同じクラスで授業が受けられるんだよ!嬉しく無いわけがないでしょ!」


「そうですか。…ですが確か私の記憶違いで無ければ秋人様は1組ではなく2組だった気がするのですが…。」


「何言ってるんだよ拓海。俺は最初から1組だったでしょ。俺が前日に学校に圧力をかけて無理矢理1組に変更させたなんて事ある訳ないじゃん。お願いしたら喜んで変更したと言う状況はあったかもしれないけどね。…そうだよね拓海」


「はぁー…。そうですね。秋人様は最初から1組でしたね。…佐藤様可哀想だな。「拓海何か言った?」…いぇ、何でもありませんよ。」


「早く綾ちゃんに会いたいなー♪」


……。



「それではいってらっしゃいませ。」


「うん、行ってくるー」


教室到着~



「転校してきた清水秋人と申します。これからよろしくお願いします。」


(秋人の脳内)

あー綾ちゃんいたー!可愛いな♡ちゃんと横の席空いてるな。

綾ちゃんの横には僕以外座らせるわけないでしょ。

あ、綾ちゃんと目があった嬉しいなーあら、目逸らされちゃった。残念。


「じゃあ、秋人くんは佐藤さんの横の席に座ってもらおうかしら」


「分かりました。」


~~~


「ねぇねぇ!秋人くんは前はどこの高校だったの?!」


「身長何センチなの!」


「凄いイケメンだね!」


話しかけてくんなよ。綾ちゃんと話す時間なくなるじゃん。

身長とか聞いてどうするんだよ。綾ちゃんの身長はすごく知りたいけどね!適当に断るか。


「ごめんね…時間があまり無いからお昼休みに質問してくれるかな?」



「あ、うん。そうだよね。ごめんね!じゃあまた昼休みにね!」


二度とくるな。何でお前らに俺の個人情報教えないといけないんだよ。まぁ、綾ちゃんにだったら俺の口座番号も教えちゃうけど。まぁ、まずは綾ちゃんにちゃんと俺の名前覚えて貰わないと。


「初めまして、僕は清水秋人だよ。お名前教えてもらっても良いかな?」


「あ、えっと…ボソッ佐藤綾です…。」


あー、ちっちゃくて可愛いお口から可愛い声で名前を教えてくれた!もう死んでも良いや。いや、まだ死ねない。まだ綾ちゃんと一緒に暮らしてもいないじゃないか!!


「佐藤綾くんだね!よろしくね!」


「何で清水くんが佐藤と話してるんだろう?」



「佐藤が親から見捨てられてること知らねぇからだろ。」


「えーじゃあ早く教えてあげないと笑笑」


「話しかけてもらえたから調子乗ってんだろ笑笑」

「また躾治してやらねぇとな」

「賛成!!」


聞こえてんだよクソやろう。逆に何で俺がお前らみたいな馬鹿と一緒に話さないといけねぇんだよ。時間の無駄だわ。

親から見捨てられてる?…そんなの逆にありがたいわ。俺の愛情で埋め尽くされた綾ちゃんなんて最高すぎじゃん。

てか、お前らのせいで綾ちゃん下向いちゃったじゃねーか!


ガダッ

うん…?綾ちゃん何処か行くのかな?


「佐藤くん何処か行くの?もう少しでチャイム鳴っちゃうけど?


「ボソッ…ちょっとお手洗いに…。」 


「そう、いってらっしゃ…タッタッタッタッ…行っちゃった。」


あー綾ちゃんか走ってる。可愛いな~♡

チャイムがなるまで後5分か。

お前達のせいで綾ちゃんに怯えられちゃったじゃねーかよ。

ふざけんなよマジでo(`ω´ )o


心配だから追いかけるか。

うん?トイレ入って行ったな。

流石に中に入るのはアレだから外で待ってみるか。



…ガタン


な、なんだ?!綾ちゃん?!


バンッ


え、!?綾ちゃん倒れてるんだけど!!



「…綾ちゃん!…綾ちゃん!……綾ちゃん!」


ど、どうしよう?!救急車か?!


「えっ」


「大丈夫?!体調悪いの?」


あー、よかった起きた!!綾ちゃんが死んだら俺も死ぬ…。


「いや、貧血だと思うから大丈夫だよ。」


いや、綾ちゃん…。貧血で倒れたらそれはもう大丈夫じゃ無いんだよ…。


「あんまりその…僕と関わらない方がいいよ。」


「え、嫌だよ。僕綾ちゃんといたいもん」


「いや、でも。」

「でもじゃないの!!」


綾ちゃんと話すことも出来ないなんて…それなら死んだほうがマシだよ!いくら綾ちゃんでも俺怒っちゃうよ!!こんなに可愛いのに関わらないほうが無理だよ!



「ほら、綾ちゃん立てる?」

「うん。大丈夫。」




クラッ…「あれっ」…


「綾ちゃん!?」


ヤバい!間に合え!!…ポスッ


一応軽く構えといてよかったー。

あー、てか俺綾ちゃん抱っこしてるんだけど。可愛い♡


一応顔色が悪いとこ以外は今の所大丈夫そう。

学校に任せるより俺の行きつけの病院に連れて行った方が安全だな。


ピッピッピッ

「あ、もしもし拓海?俺だけど、綾ちゃんが貧血で倒れちゃったから俺も早退してこのまま梅原の所に行くから連絡しといて。」


「分かりました。佐藤様は病院の後どうしますか?」


「あー、予定より早いけどまぁ良いでしょ。このまま家に帰らせるほうが心配だから今日から俺の所に一緒に住んでもらうよ!

あー楽しみだな~。」


「そうですか。では10分ほどお待ちください。」


「了解」


10分後


「ありがとう拓海」


「いえ、お気になさらず。それより佐藤様は大丈夫ですか?」


「うん。今の所は顔色が悪いだけだけど急に悪化するかもしれないから早く梅原に見てもらわないと。」


「そうですね。」


「先に車に綾ちゃんだけ乗せておくよ。俺これから担任に早退するって伝えに行ってくる。」


「まだ行っていなかったんですか?」


「当たり前でしょ!こんなに可愛い子を一人で寝かせておくわけにはいかないでしょ!」


「左様ですか…。それでは佐藤様は私が様子を見ておきますのでお早めにお戻りくださいね。」


「分かってるよ。じゃあ、行ってくる。」


「いってらっしゃいませ」


ガラッ


「すみません先生。私と佐藤くんは早退するので今日はもう帰らせてもらいます。」


「何で佐藤くんと一緒に?」


「家の用事で色々ありまして。」


「佐藤くんは関係ないような気がしますけど?」


「私が関係があると言っているのですが、何か問題がありますか?」


「い、いいえ。そうですね。分かりました。それでは私が佐藤くんのお家に連絡を入れておきますね。」


「それも結構です。私がしときますので。宜しいですよね…。」


「そ、そうですね!清水さんがそうおっしゃるのならお任せしますね!」


「それでは。さようなら」


「はい。さようなら。」


俺が綾ちゃんと関係がないだと。そんなわけないだろ!綾ちゃんが虐められてるのを分かっていて無視してるクソ教師のくせに!


「は~…落ち着こう。こんなイライラした状態で綾ちゃんのところに戻れない。…てか普通に綾ちゃん前で綾ちゃんって呼んじゃってたな俺まぁでも綾ちゃん何も言わなかったしな。いいか。」


「行ってきたよー。」


「お帰りなさいませ。」


「綾ちゃんの様子はどんな感じ?」


「今の所は落ち着いていますね。あ、それと梅原からは分かりましたと連絡が来ましたよ。」


「分かった。ありがとね。…じゃあ行こうか」


「はい。分かりました。」







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