第3話秋人side
綾を秋人の家に連れて行く時の車の中…
「秋人様。そちらの少年は…?」
「拾った」
「秋人様。人は拾えないんですよ…。」
「ねぇ、拓海。…俺さぁ、初恋なんてものはアニメとか漫画とか空想の世界だけだと今日の朝まで思ってたんだけどさぁ」
「俺は今日初恋というものをしたよ拓海!!」
「その初恋したと言うお相手が貴方の膝で眠っていらっしゃる少年という事ですか。」
「よく分かったね拓海!」
「いや、誰でも分かりますよ…。」
「そちらの少年のお名前は分からないんですか?」
「佐藤綾だって」
「ねぇ、拓海!見た目だけじゃ無くて名前も可愛いって何なの!
!」
「僕を萌え死にさせる気なの綾ちゃん!?」
「秋人様…。勝手にお名前を呼ぶのはどうかと思いますが…?」
「良いんだよ!これから綾ちゃんは俺と一緒に暮らすんだから!」
「初恋は実らないと良くお聞きしますが?」
「そんなの絶対俺には当てはまらないよ。」
「俺が絶対と言ったら絶対だ」
「でもそちらの少年にはもう好きな人がいるのかもしれませんよ?」
「そうだったら諦めてもらうよ…ダメそうだったら相手を消すしか無いかな」
「こんなに重い人に初恋されるなんてお気の毒としか言えませんね…」
「拓海…なんか言った?」
「いえ、気のせいですよ」
「まぁ、とりあえず学生手帳は有るから悪いけど綾ちゃんに関しての情報出来る限り集めて来てくれない?」
「分かりました」
「まぁ、こちらとしては貴方がこんなに他人に執着するのは初めてですからね。上手くいって欲しいものです。」
「ねぇ、拓海。…綾ちゃんの寝顔可愛い過ぎるんだけど!」
「いや、私からは佐藤様のお顔は前髪で隠されていて分からないのですが…。」
「えー見えなくても可愛いのわかるじゃん!!」
「分かりませんよ。」
「これも愛の力かな。」
「そんなわけないでしょう。「なんか言った?」…いえ、なんでも…私もそう思います。」
「そう言えば…先程一緒に暮らすと仰っておりましたが、宗介様から確認は取ったのですか?」
「まだ取ってないよ?家に着いてから聞いてみるよ」
「そうですか。」
「まぁうちの両親なら大丈夫でしょ!」
「まぁそうですね」
「まずは、佐藤綾様の身辺調査ですね。」
「よしくねー」
「はい」
この人初恋してから頭おかしくなったのかと思い悩む拓海なのであった。
家に到着後~
「秋人様、佐藤綾様の身辺調査が終わりましたよ」
「お、流石だねどうだった?」
「はい大雑把に申し上げますと、まず、佐藤様は4人家族ですね。一歳差で弟が居るようです。暴力は母親と学校の生徒達からのようです。弟は文武両道で出来が良いとご近所では、有名のようです。逆に綾様の方は、出来が悪いと有名ですね。そして父親ですね。父親は、家庭に関しては全く関わっていませんね。
まず家にはほぼ居ないようです。」
「了解、ありがとうね。」
「いえ、」
「出来が悪いってこんな身体じゃ勉強も何もないでしょ。」
「そうですね」
「そう言えば宗介様からはなんと?」
「父さんからは良いよって言ってもらえたよ!母さんも全然オッケーよ!って言ってたよ。」
「それは良かったです」
「そりゃあそうでしょ俺の初恋の人なんだから!」
「関係ないと思いますが?」
「まぁ、それはさておき父さんと母さんからは早く会いたいって言われたよ。母さんは特に凄かった。」
「まぁ、花子様は可愛い子が大好きですからね。…まぁ、着せ替え人形にされそうですが。」
「えーでも綾ちゃんは可愛いからなんでも似合うよー♡」
「変態みたいですよ。」
「やめてよ拓海!俺はそんな事はしないよ。ちゃんと綾ちゃんが元気になってからするって決めてるんだから!」
「うわーないですね。」
「酷くなーい!好きな子の全てが欲しくなるのが人間の性だよ!」
「そうですか。…まぁ、頑張ってください」
「佐藤様が起きたらどうしますか?」
「一旦うちに帰すよ。明日また会えるし。まぁ、まずは虐待されてるか本人に聞くよ。」
「されてるって自分から言いますかね?」
「まぁ綾ちゃん嘘つくの下手そうだしね。」
「確かにそうですね。」
「あ、それと俺綾ちゃんの居るところでは「僕」って言うからびっくりしないでね。」
「似合いませんね。」
「失礼すぎじゃないか…ガダッ」
「お、起きたかな!」
「そのようですね。」
綾を家に帰した後の車での会話~
「そう言えば僕の名前綾ちゃん言うの忘れてたな」
「何やってるんですか貴方は。」
「まぁ明日のお楽しみにしとこう。楽しみだなー!綾ちゃんどんな反応してくれるんだろう?」
「まぁ取り敢えず頑張って下さい。」
~~~
「転校してきました清水秋人と申します。これからよろしくお願いします」
「え、なんで」
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