第8話 外へ
1年後。
俺とアイクはとても頑張った。
前世で幼少期にこんなに頑張る人なんているだろうかというくらい頑張った。
とても充実した1年だった。
まず俺のステータスは
【名前】マルス・ブライアント
【称号】-
【身分】人族・平民
【状態】良好
【年齢】3歳
【レベル】0
【HP】5/5
【MP】1541/1542
【筋力】2
【敏捷】3
【魔力】6
【器用】3
【耐久】3
【運】30
【固有能力】天賦(LvMAX)
【固有能力】天眼(Lv5)
【固有能力】雷魔法(Lv0/S)
【特殊能力】剣術(Lv1/B)
【特殊能力】風魔法(Lv5/A)
【特殊能力】神聖魔法(Lv1/B)
まず大幅にMPが上がった。
これは風魔法を体に纏うことができるようになり、やろうと思えばすぐにMPが枯渇できるようになったからだ。
ちなみにこの風魔法を体に纏う魔法を
毎秒5MP消費するので1分でMPを300も消費するのだ。
まだそこまで爆発的な身体能力UPはできないが、風纏衣発動中はアイクと互角の剣戟ができるようになった。
次にアイク
【名前】アイク・ブライアント
【称号】-
【身分】人族・平民
【状態】良好
【年齢】6歳
【レベル】0
【HP】16/16
【MP】60/60
【筋力】4
【敏捷】5
【魔力】2
【器用】3
【耐久】4
【運】10
【特殊能力】剣術(Lv2/C)
【特殊能力】槍術(Lv1/B)
【特殊能力】火魔法(Lv1/C)
アイクは家庭教師のフランクにひたすら剣術と槍術を鍛えられていた。
かなり無理をして多少怪我もしたが俺がフランクに隠れて神聖魔法で回復していた。
そして一番の成長が火精霊の剣を扱えるようになったことだ。
ジーク、マリアはじめフランクもびっくりしていた。
まさか6歳で魔剣を扱えるようになるとは。
まだ使いこなすというほどではないが扱えるようになったのは凄い。
もしかしてアイクは俺以上の努力の天才か?
そしてなんといってもブライアント家の3人目の子供。
長女のリーナだ。
父のジークが茶髪
母のマリアも茶髪
兄のアイクは赤髪
俺は金髪
そしてリーナは茶髪
リーナはこんな感じの鑑定結果だった。
【名前】リーナ・ブライアント
【称号】-
【身分】人族・平民
【状態】良好
【年齢】0歳
【レベル】0
【HP】1/1
【MP】1/1
【筋力】1
【敏捷】1
【魔力】1
【器用】1
【耐久】1
【運】20
【特殊能力】水魔法(Lv0/D)
【特殊能力】土魔法(Lv0/D)
まさにジークとマリアの子供というスキルだ。
リーナはジークとマリアだけではなく俺とアイクのアイドルでもあった。
ブライアント家初めての女の子でかわいくない訳がない。
最近俺も近所の子供たちと少し会う機会が増えてそのたびに鑑定をするのだが才能がD以上という子供を一人も見たことがない。
ブライアント家の子供たち全員D以上の才能が2つ以上ある。
ジークとマリアはある意味凄い才能の持ち主なのだろうか?
ブライアント家が増えれば魔物の討伐も楽になるのではと思ってしまう。
まぁ何も言わなくてもまだまだ子供は増えていくだろうが。
なんせマリアは子供が3人もいるとは思えないほどの美女だ。
まだ25歳だしあと2、3人は弟か妹が増えるだろう。
そして今日はアイクの鑑定の儀の当日。
鑑定の儀は6歳になると必ず教会で受けなければならない。
本来であれば午前中に済ませる儀式なのだが、アイクは一人だけ午後に受ける。
アイクの能力をあまり周囲の目にさらしたくないので無理いって午後にしてもらったのである。
教会で鑑定を受けたアイクは鑑定に立ち会った教会関係者にやはり「天才」とか「神童」とか呼ばれていた。
ジークとマリアは立ち会った教会関係者にアイクの才能を他言しないように求めて、教会側も納得してくれた。
そして無事に鑑定の儀が終わった後ブライアント家で第2回家族会議が開かれた。
議題はブライアント家の今後だ。
テーブルをリーナを除いた4人で囲む。
「さてあれから1年がたった。父さん的にはアイクとマルスは予想以上の成長をしているように思う。去年いったように明日から父さんとアイクで街の外の魔物の間引きをしようと思う。マルスも神聖魔法でサポートしてほしいのだがみんなの意見を聞きたい」
「僕は、そのために一生懸命訓練してきたつもりです。是非お父様と街の外に出て魔物の間引きをしたいです。また訓練中に怪我をすることもありましたが、マルスの
なぜジークが俺を同行させたいと言ったのに、改めてアイクが俺の同行を許可してほしいと言ったのかには理由がある。
マリアを説得するためだ。
マリアも絶対に反対という訳ではないのだが、やはり心配という気持ちが強いのであろう。
街の外には魔物だけではなく、盗賊もいる。
「私はやはり不安ね。マルスを連れて行けば神聖魔法である程度の傷は癒せる。戦闘が安定することは間違いないと思う。だけど連れて行くといざという時に逃げることが出来ない。まだ3歳。いくら天才、神童と言え、あまりにも早すぎると思うの。私はアイクですらまだ早いと思っているのに……せめて私も一緒に行ければいいのだけれどもリーナがいるからそれは無理だし」
3人とも「うーん」と唸ってしまう。
別に誰も間違ったことは言っていないのだ。それに皆冷静に考えている。
俺は今回の件について発言権がないと思い、黙っている。
本当は俺も参加したいが、マリアがいう事もわかる。
というか普通に考えればマリアのいう事が正しい気がするからだ。
沈黙を破ったのはアイクだった。
「お母様のいう事はもっともだと思います。なので1週間だけギルドに護衛クエストを発注することは出来ないのですか?それかお父様とお母様の親しい方で腕に覚えのある方がいればその人に頼むとか。または奴隷を購入するという考えもあります。いずれにしてもマルスが神聖魔法を使う前提なので信用がおけるものがいいと思いますが」
「護衛クエストだと指名しないとダメだな。そして指名クエストを出してもいいと思える人に心当たりがない。父さんと母さんの知り合いでも適任者はいない。
アイクやマルスのおじいちゃん、おばあちゃんとはちょっと顔を合わすことができない事情があるんだ。残りは奴隷か……ただ奴隷を買うにもお金が必要で買った後も奴隷の面倒を見なくてはならない。迷宮に潜れない以上大きな支出はしたくない」
そういえば俺はおじいちゃん、おばあちゃんと会ったことがないし、話も聞かない。
何かあったのだろう。
あとあまり考えたことが無かったけど迷宮に潜るとかなり儲けられるんだな。
周りには平民しかいないが準男爵もある意味平民、しかし周りの平民とブライアント家の生活水準は明らかに違う気はする。他の準男爵家はどうなのだろうか?
迷宮に潜るのが儲かるというよりもジーク達が優秀なだけかもしれないが。
そしてこの世界には奴隷がいるらしい。
奴隷もきちんと面倒を見ないといけないというジークの発言を聞いてなんだか誇らしかった。
ただ完全に手詰まりだな。と思っていたら
「マルスはどう思っているの?正直に言ってごらんなさい」
とマリアが尋ねてきた。
「僕は父さんとアイク兄と一緒に行ってみたいです。ただ普通に考えればお母様が仰ることが正しいと思うので……」
「……じゃあ……当初の予定通り3人で行ってきなさい。ただし遠い場所や魔力溜まりができやすい場所はいかないでね。あと装備はまだ子供だから出来ないけど、道具は揃えて持って行ってね。
マリアが折れてくれたので3人で行けることになった。
明日から街の外で魔物退治。
というか俺は街の中もあまり知らないから家から出られるだけでもうれしい。
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