第4話 魔法について

 翌日。


 朝起きてから歯を磨いてからリビングへ向かう。


「おはようございます」


「「おはよう」」


 ジークとマリアが返事をしてくれる。


 アイクはまだ寝ているようだ。


「マルス、昨日の話だが父さんと母さんでマルスに魔法を教えることにした。その前に一つ約束をしてもらう。神聖魔法は人の怪我や病気を治す魔法で希少価値が高い。悪い奴らにつかまったりするとどんな目に遭うか分からない。だから大人になる……いや父さんと母さんがいいというまで他人に絶対に使えると言ってはいけない。いいな?」


「わかりました。よろしくお願いします」


「よし、まずは基本から教える。そのあとにマルスの適性魔法が何か調べてみよう」


「はい。どうすればよいのですか?」


「まずおへその少し下あたりにある丹田というところに意識を集中させろ。そこに魔力がたまっているところがある。その魔力を体に循環させることを意識するんだ。最初は難しいだろうができなければ、神聖魔法の才能があっても使う事ができないから頑張りなさい」


「わかりました。お父様。やってみます!」


 そう答えるとすぐに丹田の魔力だまりというのが分かった。


 ただそれを体中に循環させることができない。


 10分くらい苦戦しているとマリアがアドバイスをしてくれる。


「丹田から血液が流れる意識をしてごらんなさい」


 前世で習った知識を総動員する。なんとなくだがイメージができた。


 すると魔力が循環できたみたいで体が少し熱くなってきた。


「おぉー。できたようだな。それに魔力量も非常に高いようだ。信じられないが俺やマリアを遥かに超えている気がする」


「そうね。1歳にして普通に話せて、歩けるだけでも異常なのに、ここまでの魔力量は見たことないわね。これで魔法適性があればよいのだけど……」


「そうだな。水晶は昨日の夜のうちに買ってきてあるから鑑定をするか。まずはアイクからやってもらおう」


 ジークがそういうと寝室で寝ていたアイクを連れてきた。


「アイク、ステータスオープンと言ってごらんなさい」


「はい。お父様。ステータスオープン」


 するとアイクのステータスが水晶に映し出される。


 しかし俺の鑑定ほど詳細ではない。


【名前】アイク・ブライアント

【称号】-

【身分】人族・平民

【状態】良好

【年齢】4歳

【レベル】0

【HP】4/4

【MP】1/1

【筋力】2

【敏捷】3

【魔力】1

【器用】2

【耐久】2

【特殊能力】剣術

【特殊能力】槍術

【特殊能力】火魔法


 この結果を見たジークとマリアが


「凄い!アイクは剣術に槍術に加えて火魔法の素質もあるのか!アイクも魔法の訓練をさせたいな!騎士団で団長も夢ではないな!」


「ええ!神童と言っても過言ではないわ。私たちで正しく育てましょう」


 そういわれたアイクはまだ何を言っているのか正確にはわかっていないようであったが、自分のことでジークとマリアが喜んでいるという事はわかったようで嬉しそうだ。


「次はマルスだ。ステータスオープンと言ってごらん」


「はい。ステータスオープン」


【名前】マルス・ブライアント

【称号】-

【身分】人族・平民

【状態】良好

【年齢】1歳

【レベル】0

【HP】1/1

【MP】292/292

【筋力】1

【敏捷】1

【魔力】2

【器用】1

【耐久】1

【特殊能力】剣術

【特殊能力】風魔法

【特殊能力】神聖魔法


「な、なんだこれは……MP量が292って……魔術師である俺やマリアの5倍近くあるじゃないか……」


「正真正銘の神童ね。神聖魔法の他にも風魔法も使えるって……神聖魔法使いって神様に愛されすぎているからほかの魔法は使えないってのは嘘だったのね」


「一つ言えることは俺らの子供は二人とも異常だ」


 やはり俺はかなり才能に恵まれているようだ。


 そして俺はこの与えられた才能に胡坐をかくことなく人の倍、いや3倍は努力したい。


 むしろ俺の本当の才能は前世から引き継がれた努力だと思っているからな。


 ここでジークが困った顔でこう呟く


「おい、なんで俺とマリアの子供なのに二人とも土魔法と水魔法を覚えていないんだ? まさか……いやそんなことはありえない」


「あなた。間違いなく私たちの子供よ。神に誓ってほかの人との子供なんてことはないからね」


「まぁそうだよな。あれだけしていたんだから当然俺らの子供だよな」


 子供の前でなんて話してんだよ。


「お父様、お母様魔力の循環はできるようになったのですが、魔法はどうすれば使えるのですか?」


「あ、あぁ。実は父さんは土魔法、母さんは水魔法しか使えないんだ。だから神聖魔法、風魔法、火魔法が使えないからあとで魔導書を買ってきてやる。魔導書を読まないといけないからマルスは語学の勉強をしなくちゃな」


「ありがとうございます。それでは僕は魔力の循環の練習をしながら語学の勉強をしておきます」


 するとアイクが


「マルスが魔法の練習するなら僕も魔法の練習をする」


 といって魔力の循環の練習をし始めた。


 ジークとマリアは子供たちの魔法の練習を嬉しそうに見ている。


 子供の頑張る姿を見て嬉しくない親なんていないだろう。


 親孝行のためにも頑張ろう!

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