第7話

 ポリ袋の山をどかして家の中に入る。

 家の中は意外なほど綺麗だった。

 片付けられていて。それでいて、生活感がある。



 台所の真ん中にあるちゃぶ台の上には、湯気の立つ急須が置いてあった。


「あれ? 誰のだ?」

「すぐに帰った方がいいかも!」

「なんで?」

「だって、ここって……」


 岩見さんは、どこからかの落下事故で死んだ。

 それも家の中で。


 最初は高い箪笥や梯子か階段から落ちたのだろうと言われていた。


 けれど、異様だったんだ。

 死体の損傷が激しく。

 まるで、歯車に挟まって顔と身体の肉片全てがねじ曲がったかのようだった。

  

 実際見たんじゃない。

 けれど、遺体の写真が……。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る