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エリー.ファー

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 世界が少しずつ回り始める。

 あなたは、知らない。

 私も、知らない。

 本当は、星が見えにくくなっていることをあなたは知らない。

 本当は、数字が入れ替わったことを私も知らない。

 問題は解かれた。


「同じ場所を歩いていくのには、覚悟が必要だ。しかし、それを逃げと呼びたがる者が多いせいで、いつだって面倒な問題は降りかかってくる」

「実際は、事実と違う言葉ばかりが飛び交うが、それもこの世のエンタメと割り切るべきだ」

「健全からほど遠い。しかし、それが現実だ。不健全で、不潔なら、その世界で生きていく術は、最後にあなたを救ってくれるだろう」

「諦めるな、とは言わない。けれど、何気なく積み上げたすべてが、最悪の雨を降らせてくれる」

「死ぬしかない。諦めるしかない。その言葉を聞きながら、降らせるしかない。そして、流れていく死体を眺める時間が憩いとなる」

「靴を履かせてはいけない。旅にでてしまうから。冷えるなら動いてはいけない。何者かに知られるはずだから。けれど、それを恐れる必要はない。何もかも、整った城では、外の天気など意味のないことだから」

「西よりも東がいいが、東よりも北のほうが良い。南も良いが、風を読む技術を取得することができる。悪い方角はない。一つあるとするならば、そこにとどまること」

「占いのような文言が並んでも信じてはいけない。確信を持つまでは、文章を心に流し込んではいけない」

「烏の鳴き声で感動する間は、不運から身を守ることができる。逃げることは悪いことではない。それは未来から見れば前に進んだように見えるのだから」

「言い訳に価値はない。問題なのは、そうやって時間を過ごしたという事実なのだから。譲れないものを譲らないのは、あなたの実力を証明するきっかけになる。たとえ、逃げたとしても成長が確約されている。そして、あなたはその未来を薄っすらと理解している」

「橋から落ちていく人たちには手を振るしかない。あなたが落下することはなくとも、恐怖は味わえる。他人の命を使って得られた教訓は、あなたの命を使って得られる教訓よりも遥かに尊いものになる。味わうべきだ。存分に。そして、独占するべきだ。使いこなせるはずだ」

「手紙にはいつも良い知らせが入っている。しかし、あなたの敵にとっては悪い知らせになる。送る必要はない。送られるものであるべきだ」

「完全からほど遠い物語には、余白がつきものだ。埋めてはならない。そのせいで、自分を失ってしまうから」

「真実も確信も、あなたの中にある。外には一切ない。例外はない。でも、心配はいらない。皆があなたを恐れている」

「呼吸の音で、死体の山が築かれる」

「あなたの持っている感覚は、一つではなく二つである。大切にしなければならない。いずれ、詐欺師があなたに感謝をする日が来る。残念なことに、すべてを享受できるのはあなただけなのに」

「あなたには悪意を見分ける術がある。けれど、追い詰めて殺してもいいし、放置をしてもいい。最も恐ろしいのは、暴力ではなく暴力の風である。血まみれの悪意には近づく気力もない」


 忘れてはならない。

 何も起きない未来などない。

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