籠絡、繰レレバ唐紅
今際ヨモ
矛盾
悪魔の不在を証明することよりも、悪魔の存在を証明することのほうが容易いと言われている。
不在の立証には、世界中の全てを探し回って、悪魔は何処にもいなかったことを、確かめなければならないから。反対に、存在証明をするには、たった今、この場所に悪魔を連れてくれば良い。
──そう言われているが、連れてきた悪魔が本当に悪魔であることの証明については、誰も言及しない。
最初に悪魔の存在証明を容易だと騙ったのは、誰だろう。実際には、連れてくる事自体も不可能に等しいではないか。
存在と不在。証明と否定。相容れないように感じても、背反する言葉は同居する。だとするならば、天才と凡才もまた、紙一重なのだろう。
キャンバスの中の悪魔が、微睡むように微笑んでいる。
女神の慈愛とも悪魔の嘲笑とも取れるそれを、悪魔だと断言できたのは。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます