『ゆいごん』

やましん(テンパー)

『ゆいごん』


 地球人類は、さかんに、会議を開いたわりには、戦争というありきたりの理由に、様々な要因がまとわりついて、ついに、最後の100人となったのであります。


 そこで、もはや、これまでと、ゆいごん書を作成したのです。


 それから、100年後。

 

 地球全生き物代表者会議。


 会場は、太平洋のどまんなかにある、地球最大の海洋レジャー施設であった、『まんまる地球館』でありました。


 ここには、飛行機はもちろん、地下高速度移動体により、地球の反対側からでも、一時間で到着します。


 ま、わざわざ、高価なヨット⛵で、地球一周をしながら、ゆっくりと寄っていく大富豪もありましたが。


 しかし、もう、人類は、いなくなりました。



 いまや、たくさんの、生き物たちが、集まりました。海上ステージから、海中ステージまで、たいへんな数の生き物たちの代表者が、今や遅しと、待ち構えていたのです。


 地球には、実際に、たくさんの生き物が、残っていました。


 さて、議長は、ぞうさんです。


 副議長は、くじらさんでした。


 『ぶあ〰️〰️〰️。みなさん、よく、おいでくださいました。ぞう。また、ここには、体質上参加できない種族で、オンライン参加のみなさまも、よく、おいでくださいました。さて。地球標準時、昨日午前2時、最後の人類、やまし〰️んさまが、お亡くなりになりました。(作者には、関係ない人です。)深く哀悼の意を表します。これにより、ホモサピエンスエレクトゥスは、絶滅いたしました。ぞう。』



     わいわい。がやがや。


 『え、お静かに願います。そこで、地球の盟主としての人類は、途絶えたのです。ぞう。もちろん、人類の親戚にあたる、霊長類のみなさまは、各種族、ここにもいらっしゃいますが。

すべて、我々は、人類の後を継いで、地球を守らなくてはならない。しかし、実際に、文明の維持は、きわめて、困難であります。人類は、われわれに、ゆいごんを残しました。それを、ここに公表いたします。え、弁護士の、ぱんださんの、きんきんさま、どうぞ。』



 転がるように走りながら、ぱんださんが現れました。


 『弁護士の、きんきんですぱ。人類のゆいごん書を代読しますぱ。』



 会場は、静まり返りました。



 『ゆいごん書』


 1 地球上の全兵器は可能な限り破壊したが、もし発見しても、さわらないこと。まだ核兵器が残っている。



 2 地球上の兵器以外の全財産は、文化も含め、すべてあなたがたのものであり、仲良く分かち合って使うこと。または、使わないこと。



 3 人類文明の最終的精算者は、陸上では、カラス一族、わんにゃん一族、チンパンジー一族、海中では、くじら一族、さめ一族に依頼する。また、全体のコーディネーターを、ネズミ一族と、ごき一族に依頼する。


               以上


 ゆいごん書の内用は、おしまい、ぱ。』


 ぱんださんは、転がるように、いなくなりました。


 


 なんだなんだ。


 我々は書かれてないのか?


 なにか、美味しいものは、ないのか。


 食い物だせ〰️〰️〰️😃


 

 会場はざわざわに包まれました。


 『え、お静かに願います、ぞう。この集会が終わりましたら、別室にお食事を用意しております。最後に、コーディネーターが、ごあいさついたします。このさき、コーディネーターを中心に、人類の遺産から、食べられるものと、そうでないものを、分類整理して行きます。では、ちゅう隊長と、ごき大将、どうぞ。』


 壇上には、体長1メートルに近い、ごきさんと、ちゅうさんが上がりました。


 なんだか、みんな、震え上がりました。


 ごきさんと、ちゅうさんは、昔の名高いオーケストラ指揮者さまみたいに、みんなを、右から左にゆっくりと見回し、ぎらっ、と笑って、降りて行ってしまいました。


 汗を、でかいハンカチで拭きながら、ぞう議長が言いました。


 『では、副議長から、あいさつがあります。』


 『ども。くじらの、たろ、です。ぼくは、最後の人類さんと、仲良しでした。話もできるようになり始めていました。残念です。おわり。』


 わあ〰️〰️〰️❗


 と、歓声が上がりました。


 『え、地上の生き物さんは、右のドアから、海中の生き物さんは、左のドアから、でて、お食事会場に入ってください。なお…………』


 あとは、だれも、聴いてませんでした。


 ごき大将が、ねずみさんに言いました。


 『まあ、しゃあないごき。うちの、ひいひいひいひいひいひい………じいさんが、人間の家の地下に基地をもっていたごき。』


 『しって、ちゅう。ねこママの店があった。』


 『ごきごきなあ。あのあたりは、いまは、地の底だごき。でもな、タイムトンネルがあって、むかしの連中が、出入りしているらしい、噂がある、ごき。あんた、行きたくないかごき。』


 『ちゅう。行きたいちゅう。でも、あなほりやくが、必要ちゅう。あ、いるいる。はだかでばねずみくんだちゅう。』


 『ごきごきなあ。人類最大の遺産は、冒険心だごき。それだけは、尊敬に値するごき。』


 ふたごきちゅうは、やがて、探検の旅にでたのであります。



    □□□□□□□□□□


             おわり


 


 


 


 


 


 


 



 


 




 

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『ゆいごん』 やましん(テンパー) @yamashin-2

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