僕たち私たち

櫻井 志

未来へ繋がる約束と友情

 僕はいつの間にか、人と話せなくなっていた。

僕は、たくさんの人と関わっていくうちに、人との関わり方が、分からなくなっていった。

でも、そんな僕にも、一つだけ、毎日のように、楽しめることがある。

それは、バーチャルアイドルをやっていることだ。

正体がバレないから、リアルで、人と関わるよりは、ずっと楽なのだ。

それに、僕の配信を見て、喜んでくれる人もいる。

だから、毎日がとても楽しい。

ある日、僕宛に、一通の手紙が来た。

そこには、こう書かれていた。

[高橋 健介殿

 以下に書いてある住所のホールに、明日、午後5時30分に来てください。]

僕は不思議に思った。

(人見知りの僕に、誰が手紙を出したのだろう?)

その手紙には、送り手の名前が書いてなかった。


 次の日、僕は昨日の手紙の住所の場所に、午後5時25分に着いた。

そこは、僕が通っていた小学校があった。

 だが、そこの小学校は3か月後、校舎が古いため、壊されてしまう。

僕は、校舎に入り、ホール(体育館)に向かった。

 ホールには、すでに、僕を合わせて、4人がいた。

「あっ久しぶり~‼️」

僕に女性が、手を降った。

「あのぉ、どちら様でしょうか?」

「本当に忘れたんだな」

別の男性がそういった。

それと同時に、ホールのドアが開いて、今回僕たちを呼んだ本人らしき、人が来た。

「皆さん、お集まりありがとうございます。

皆さんがお知りのとうり、健介こと、ケンちゃんは、記憶喪失です。

なので、本日は、ケンちゃんの記憶を戻すために、我ら、BFF(ベスト.フレンド.ファイブ)がたくさん、話したいと思いまーす!」

 僕が記憶喪失?

そんなはずはない、だってこの学校に来たことは,,,,,

 その時、頭が、はたかれるようた痛みと、激痛が走った。

それと共に、昔の記憶が少しよみがえった。

(僕が誰かと遊んでいる?)

少しずつくっきり見えてきた。

(とても楽しそう。

 ここに来ている人たちなのかな?)

「少し思い出せた?」

 さっきまで、何も話さなかった女性が話しかけてきた。

「し、栞里?」

なぜか、前にいる女性が分かるような気がした。

「思い出してくれたんだ!

そうだよ、私は栞里。

私がいじめられてたとき、助けてくれたのね。」

「じゃあ私は?私、分かる?」

一番最初に話しかけてきた女性が聞いてきた。

「ゆ,り」

「そうそう!私は、百合、よく思い出せたね!」

思い出した。

百合は、僕の幼馴染みで、このグループの、リーダー的ポジションで、いつもみんなを引っ張ってくれた。

「百合が分かるなら、オレが誰か分かるよな。」

「うん、分かるよ、仁だろ?」

「そうだよ、オレは仁、よく校庭で、遊んだよな。」

(よしっ、あと一人で,,,,,)

そう思ったときだった。

「ヴアァァァ!」

「おい!大丈夫か?」

「うっうん,,,大丈夫,,,」

「あと、一人、柳二?」

 その名前を口にしたとき、すべてを思い出した。

「柳二、ありがとう。」

「思い出したか、お前が記憶喪失になった本当の理由。」

「うん、全部、思い出したよ。

僕が記憶喪失になったのは、あのとき、君らとケンカして、君らを嫌おうとして、頭を強く打って、記憶が少し消えたんだよな。

だけど、BFFの約束のために、思い出させてくれたんだよね。」

「よく思い出せたな。」

その柳二の一言で、涙が溢れた。

「もう忘れない!

永遠に、絶対、必ず、それが僕らの約束だもんね。」


~永遠のベスト,フレンド,ファイブ~


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僕たち私たち 櫻井 志 @gomaazarasi

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