殺し屋が恋した上司
@INOTINOKIKI1
任務編
第1話
もし、上司が部下に恋した場合も同じだ。
* * *
「おい!!
「聞いています」
激しく怒鳴りつける声に対して、《五月雨》と呼ばれる女は凛とした声で答える。
「しっかりと殺れよ?」
「そんな分かりきったこと……承知致しました」
女は合図を取り、白いワンピースを水玉模様のように赤く染め2度目の姿を現した。
* * *
『昨夜、
「へえ。世の中物騒なこと」
ニュースの一部を聞いて、ある一室のアパートで男が呟いた。
コンコンコン
「はい」
ガッチャ
「ちょっと
一度バーちゃんの話を聞くとあとは長い。
「それでね〜。……ってあらヤダ。もうこんな時間!じゃ、ありがとうねぇ〜」
まさしく台風のような人だ。
そして家に入るとタイミングよく電話が鳴った。
プルルルル
プルルルル プルルルル
プルルルル プルルルル
リズム良く、切っては鳴り、切っては鳴り。
相手は何がしたいのだろうか。
陽友都はようやく4回目の電話でコールに出た。
『
「はいなんでしょう?私はコードネーム殺華」
『いつものカフェに10時着』
「分かりました。人使いが荒いですねえ」
『しょうがないだろう。俺だって言われてるんだし。てか聞いたか?この組織に新しく入ったヤツがいるんだって。しかもソイツ 、あのテスト1発で100点だって。』
「へえ。すごいんですね、その方」
『お前もじゃねーか!……まあ、見た事ねーから分かんないけどな』
ガッシャ プーップーップーッ
電話を切り、今の時間を確認し、家を出た。
* * *
男が電話で言っていたカフェとは、陽友都のアパートから2つ程駅から離れた場所にある。
カランコロン
「いらっしゃいませー。1名様ですね。お好きな席へどうぞ」
陽友都はどの席に座ろうか決めるべく、カフェ内を散歩していた。
陽友都は決めたのか。窓が近くにある席に座り、外を眺めていた。
すると、陽友都は握りしめていた左手から丁寧に降りたたんでいる紙を取り出した。
いつこんな物を持っていたのだろうか?
カフェに入ってすぐ散歩をしていた訳では無い。
ある男が1人で座っている席を通りすぎる前、そのテーブルに置かれてた紙を確認し、流れ作業のごとく左手で取ったのだ。
この男は誰なのか。この疑問も浮かんでくる。
まあこれはさておき、この紙に書いていることが大事だ。
『3日後、アジトに集合。ボスからの命令』
荒い文字で文字が踊っていた。
ーー綺麗に並べる位しとけ。ったく。
そこでようやく店員さんにコーヒーを頼んだ。……砂糖多めで。
会計を済ませ、コンビニに寄ってタバコを買った。
このタバコはコミュニケーションの1つとして使っている。
タバコに慣れるため、1週間に1回タバコを1本吸うようにしている。
まあ、かと言ってそのタバコを使わないと意味は無いが……
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