画鋲



たとえば君が横にいて

僕が君に話しかける

そうすると微かに

鉄の味がするの

いつでも、どんなときでも

赤色がそばにいるの


たとえば君が横にいないと

僕はとても嬉しくなる

心に生まれたなにかが

イタズラをしてるみたい

けれど、なんでだろう

鉄の味がしないんだ


たとえばアイツが横にいて

僕がアイツに話しかける

そうすると確かに

鉄の味がするの

もっと、もっと、もっと、もっと

その味が恋しくなるの


たとえば僕がいなくなって

君の横に空白ができたなら

君はとてもキレイに変わるの

傷ひとつない白色に

ぜんぶ、僕の所為だ

幸せはそこにあったのに


幸せに画鋲が刺さる

君から赤色が溢れる

とめどなく

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る