変わったことに
バブみ道日丿宮組
お題:彼女と同性愛 制限時間:15分
それはファンタジー。
性が変わる日常なんて起こりはしない。
普通なら、そうだ。
そんな二次元でしか起こり得ないことは現実には起こらない。
だというのに、自分は女性になってた。車に轢かれて、救急車に運ばれ、病院につく。
手術で一命を取り止めて、数日後。
意識を取り戻した僕に起こった出来事だ。
手術直後にはそんなことはなかったらしい。病室で眠ってる間に変化が訪れたとのこと。
僕は困惑した。
無事だったことよりも先に、不安が充満した。
変化に喜んだのは、なんと彼女だった。
彼女は同性愛者だったという。
『好きになったあなたが女の子になってくれて、私は最高に本当にハッピー』
そう言われて悪い気はしなかったが、女になってしまったために受ける影響が大きかった。
下着は全部変えることになったし、服もサイズが合わなくなってしまった。
問題は職場にもいえる。
明らかに不審がる視線が増えた。
社長自らが社内メールを行ったが、それでもまだある。
性転換手術を受けたという印象が社内についた。現実はそうじゃない。
その誤解は僕の隣にくれば、大体は解ける。
手術を受けたところで、身長は低くならないし、体臭も変わらない。そして女性特有な曲線美を得ることはできない。
女性社員からは妬ましい視線を受ける。
自分が手に入れられなかったのを、元男性が手に入れた。
男性社員からは色を感じる視線を受けるようになった。
同期なんかは鼻息が荒い。
別にナイスバディになったわけじゃないんだけどな。
毎日家に帰ると、彼女に抱擁されて、身体をいじくり回される。
そのことは別に気持ちいいからいいのだけど、彼女に少し不安があった。
このままでは結婚はできないし、子どもは作れないということ。
そのことについて、どう思ってるのか僕は聞けなかった。
同性愛は、世間であまり受けがよくない。
お母さん、お父さんは、性別が変わったことによって、そこらへんを問題視した。
どうしようもできなかった。
困り果てそうになると、彼女は言った。
『愛さえあれば、関係ないよね』と。
その言葉に少し救われて、僕たちの交際は継続した。
変わったことに バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri
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