第8話
やっと仕事が終わった……
俺は疲れた足取りで家に帰った。
腹はまだ減ってない……
そう言えば、何で動画見間違えたんだろう、普段なら絶対気にならないあの動画がやけに気になった。
もう一度見てみるか……
おかしい、昨日見た動画がねぇ。
やっぱり俺の勘違い?又は夢か?
……新しい投稿動画がある。
俺は気になったので動画の再生ボタンをタップした。
『はい、こんばんは
如月です。今日は前回の続きをお送りします。』
今考えれば、コイツは毎週同じ曜日に動画を投稿しているはず……なぜ、今日も動画を投稿している?
しかも、昨日投稿したばっか……方針変えたのか?
『では前回の続きを………
そこから俺の日常は少しずつおかしくなっていった。
郵便ポストに宛名の無いものでしかも何も書かれてないものが来たり、消したはずの家の電気がついていたり…
最初は俺の気のせいだったり、郵便局の人が何かへましてしまったんじゃねぇかと思っていた……がこれが何日も続いた為気のせいじゃないことを確信した。
ストーカーか?だとしたら今の状況はおかしくない。
「警察に通報するか?…でも証拠ねぇしな……ってかだいたい、アラサーのおっさん誰がストーキングするんだ。」そんな事を呑気に考えていた俺は腹が減ったので飯を食べに行く事にした。
「うめぇなぁ、やっぱり大和屋の鰹飯。」
鰹に特製の醤油がかかって飯とあい、とてもうまい。
ピロン
音の発信源は俺のスマホからだった。
誰かは知らねぇがメールが一件来た。
「メ〜ル?今時ふりぃなぁ」
俺はメールの内容が気になったので、受信箱をタップして、メールを開いた。
【メル友になってもらえませんか?】
何だ、コイツ?知らねぇ番号から送られてきたメール普通なら迷惑メールだと思い消すだろう……
しかし、俺は何故かこのメールに興味を持ってしまった。上機嫌だった俺はすぐにメールを送り返した。
【こちらこそよろしく。】
そう打つと俺はまた飯を食べ出した。
飯を食い終わった俺は家に帰ろうと歩き出した。
カツ カツ
家から店までので距離は数百メートルしかないがやはり街灯が一つもない夜の暗い小道を歩く事となると確かに怖い。大の大人が何を言ってんだと思うかもしれないが怖いものは怖い。
ピロン
「うぉっ!?」
何だよ!びっくりしたじゃなぇか!
「ったくなんだよ」
さっきのメールの野郎からだ。
【では、質問を少しずつこれからしていきたいと思います。】
は?どう言うことだ?俺は不思議に思ったのですぐ打ちかえした。
【何故だ?】
短い文だが聞きたいことは簡単に聞いた方が相手もわかりやすいかもしれない、そう思い俺は返信した。
数分後
返信がきた。
【それはあなたと友達になりたいからです。
友達は相手のことをよく知った方がいいと思うので】
まぁ、確かに相手のことはしっかり知った方が良いだろう。……でも会ったこともねぇ奴のことそんな知りたがるか、普通?。俺はねぇな、絶対。
めんどくさかった俺は【好きにしろ】と送った。
ピロン
すぐに返信がきた。
【貴方はアイドルは好きですか?】
まぁ、好きだろう。前ライブにも行ったし。可愛かったな《七瀬ちゃん》。
【好きな方】
送信っと……
それから数分たってもメールは来なかった。
家に着いてからもう一度見たがやはり返信は来てない。
「ったくなんだよ、コイツ人にメール打たせたくせに自分はムシか?」
まぁ良い、歩いてきたため汗をかいている俺は一刻も風呂に入りたかった為メールなど、どうでもよかった。そう言えば《七瀬 東》の限定グッズ発売そろそろだな。そんな事を考えながら俺は風呂に入った。
「ふぅー。サッパリした。
あ?……返信きたのかよ。」
俺はスマホのロック画面を解除しメールを開いた。
【そうなんですか。僕も七瀬ちゃんが好きです。】
“も”?なんでコイツ俺の推してる奴のこと知ってんだ?変換ミスか?それならあり得る。“は”を“も”にしてしまったなら変ではない。
ピロン
【貴方は一カ月前動画にコメントしましたか?】
おいおい、雲行きが怪しくなんぞ……コイツ俺のストーカーか?本人と直接やり合ってんのか?
「今回はこれで終わりです。えっ続きが気になる?
……なに、すぐにみれますよ。
では…」』
また、良いところで……
前回といい何でこんなに小分けするんだ?コイツ
グゥー
俺の腹の虫が鳴り出した。
そう言えばまだ飯食べてなかったな……
何を食うか……
プルルルル
電話だ……
真中からだ。
[先輩、美味しいご飯屋があるんで皆さんと今飲み会しようとしてるのですけど来ませんか?]
[飯か、まだ食ってないから今行く。]
俺はスマホを持ち外に出かけた。腹が減っている為少しだけ早く歩いた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます