6がつ 25にち 「てんぽ」

 六月二十五日 晴れ 夏っ!! って感じ。


 歌手のどなただかが日記を書くことで作詞を上達させた、というような噂話を聞いたことがあって、それならば茶々瀬もこれを続けることで文章力が上がっちゃうか知らん、などと夢見がちな期待をしております。この知性の感じられない文章を書き並べてどうしたら上達するのだかわかりませんけれど。


 朝起きたら、もう外はギラギラしていました。お昼になっちゃたかと思いました。時計を見たらまだ朝の時間でした。でも、お部屋はもうとっても暑かったです。これだけ暑いと、のんびりする気もしません。いそいそ朝ご飯を食べて、お出かけすることにしました。


 いつもと違う喫茶店に行きました。いつものとこは、開けていて、あんまりのんびりできません。今日のところは、お隣と仕切りもあるし、照明も落ち着いているし、壁は黒檀みたいに暗い色合いだし、おしゃれ感があります。でもチェーンだからリーズナブルです。お休みの日にはときどき行くところです。

 そこで、長いお話の内容をまた詰めていました。他に日記に書くことないのかって未来の茶々瀬が読んだとき呆れられそうです。でも書くことないから仕方がないです。とりあえず、最後まで詰め終わりました。あとは書くだけです。

 書くために、新しくノートパソコンを買おうかと思っています。もうすぐボーナスだからです。それを買ったら書きます。


 午後は、楽器の練習に行きました。これもよく日記に書いている気がします。ちょっと遠出をしたい気もするけれど、茶々瀬は旅行が苦手なのであんまり行きません。知らない場所に行くとか、いつもと違うことするとか、そういうのすごく緊張するたちです。あと、練習しないと他のひとに迷惑かけるから頑張らないといけません。こいつ使えないな、へたっちょだな、ちゃんとやってないな、って思われるのはいやです。練習しても上手ではないですけど。

 今日練習していた曲は、意味わからんくらいむつかしかったです。久しぶりの歯ごたえでした。中高のころを思い出しました。もうなにがなんだかわかりません。指がもつれてわやくちゃになります。しかもさらにテンポを速くしないといけません。そんなのできるか!? って感じです。十曲くらい渡されているけど、一曲でお手上げでした。これを全部やるのは無理です。トラでのるだけだから、この一曲だけ頑張ればいいかなとか、甘いことを考えています。この曲は、茶々瀬の楽器も目立つところがあります。だからお呼ばれしたわけです。だからこれだけやれたら、お役御免ではないでしょうか。そうだといいなあ、と楽観しておきます。そうじゃないと、到底練習は間に合いません。平日にまで練習するには時間もお金も余裕がないです。

 ……これだけ言い訳しておけばいいでしょう。


 茶々瀬の楽器は、首に紐で吊るすようになっています。だから首に楽器の重さがぎゅって掛かります。練習のあとトイレで鏡を見たら、紐のあとが首について、赤くなっていました。ちょっと擦過傷みたいになっているところもありました。タオルでも挟んでおけばよいのに、横着した結果です。絞扼痕みたいで、ちょっとおもしろいです。こういうのにドキドキする中二病はそろそろ卒業しなくちゃいけないかも知れません。


 それではおやすみなさい。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る