6がつ 19にち 「がっき」

 六月十九日 晴れ あっつい……


 このまま、何にもなれないまま、誰にとっての何者でもないまま、上辺の人間関係だけ築いて死んでゆくのかも知れません。こういうアイデンティティの問題は、もうとっくに解決していなければならない年齢に達しているはずなのに、いつまでもぐじぐじと悩み続けて。だからこそ茶々瀬はこんなクソみたいな駄文を書き続けているわけなのでしょう。


 朝は、とっても眠かったです。まだ生活習慣が戻らないみたいです。頑張って起きました。うだうだしながら部屋の掃除をしました。


 そのあと、また寝て、早くにお昼ご飯を食べて、また寝て、起きてから楽器の練習に行きました。今日はみんなで練習する日でした。


 もうイッコ、バンドを掛け持ちしないかと誘われました。茶々瀬の技量を買って、というわけではありません。茶々瀬の楽器は、あんまりやっているひとがいないです。だから誘われているんだと思います。押し切られて、楽譜をもらってきてしまいました。またいっぱい練習しないといけません。見るからにむつかしそうな楽譜です。


 なにやっているんだろうと思います。プライベートを潰して、なにをやっているのでしょう。メンバーはみんなおじさまおばさまで、すてきな出会いがあるわけでもないのに、なにをしているのでしょう。若いひとが多いと、それはそれで茶々瀬は消えたくなるに違いないけど、でも、空しくなるときがあります。楽器をやるのは好きです。でも、そればっかりやっていれば満足というわけではありません。だからって、他に、茶々瀬の居場所があるわけでもありませんけれど。このまま生きていることに、どれほど意味がありましょうか。

 一回くらい、恋愛をしてみたいです。このとしになるまで一度も恋愛ができていないという時点で、茶々瀬の人間性に難があるのだと思いはしますが。見た目の美醜の問題だけではありますまい。まあそれも大いに関係しているのでしょうが。

 生殖にこそ生物の存在意義があるのだと、茶々瀬は思っています。人間だって一緒です。他の人間的な活動なんか全部おまけです。だから今の茶々瀬に生きている意味などないのです。

 そうは言っても、死ぬような度胸はありません。不幸な事故に遭って唐突に痛みもなく死ねないかしら。まあそんな都合のいいこと、そうは起こりませんけど。中高生が明日隕石でも落ちてこないかと願うようなものです。茶々瀬の精神年齢は中学生のころから一切成長していません。そういえば身長も中学生で止まったような。


 日記ではなくなりました。ともかく、練習を頑張ります。あと、お話を書くのも頑張ります。この土日は全くお話のことをやっていません。明日からやりたいです。やらなくちゃいけないわけじゃないけど、これをしなくなったら、本格的に茶々瀬の生きている意味がなくなりそうだからやります。


 また明日からお仕事がんばります。

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