6がつ 6にち 「ほのお」

 六月六日 雨 肌寒い


 たいへんにお腹が減っています。早くお夕飯にしたいのですが、なんと家には食材しかないのです。調理せずには何も食べられないのです。まさかキャベツをそのままかじるわけにもいきませんし。そういったわけでお湯を沸かしながら日記を書いています。


 朝は、お仕事の机でお話を考えました。でもひとつも進みませんでした。とても眠かくなったからです。お話を考えるとき、茶々瀬はよく眠くなってしまいます。なんにも思いつかないともっと眠くなります。悲しいです。


 お仕事では、この前任された部署の紹介のパワポを進めました。茶々瀬はほかに急ぐ仕事がないです。でも、ほかのひとは色々忙しそうです。いつも不思議です。なんでみんなあんなに忙しそうなんだろって思います。そんなに色々やることあるのかなって思います。茶々瀬は、言われたことしかできないひとです。だから、みんなが忙しそうだと少し居場所がないです。


 こ仕事のところには、「つらい気持ちとの付き合い方」みたいな本がいっぱいあります。うつとか、考えすぎとか、そういうのとの付き合い方の本です。


 にんにくを刻みました。


 そういう本を、お休みの時間にぱらぱらめくりました。書いてあることは、なんかもっともらしいですけど、茶々瀬には全部嘘っぽく見えます。そんな簡単なことでひとは変わったりしない、と思ってしまいます。そう考えられたら楽だろうけど、できないからつらいんだ、と思ってしまいます。


 お湯が沸いたのでパスタを投入しました。


 だから、本はすぐに閉じました。なんだかつらい気持ちになりました。茶々瀬はひねくれ者です。


 帰りにマンガを買いました。「虎鶫」の五巻です。あんまり茶々瀬の趣味には合わないマンガです。最初は好きでした。止めどきがよくわからなくなって買っています。ここから面白くなるといいなって思います。


 アスパラを刻みました。オリーブオイルでニンニクを炒めて、とうがらしを入れて、しばらくしてからアスパラをつっこみました。

 フライパンから炎が上がりました。うえの換気扇のところまで赤い炎が。

 びっくりしました。とんでもなくびっくりしました。慌てて火を消しました。手が震えています。普段料理しないから、マンガみたいな失敗をしました。こわいっ!!

 でもなんとかなったので、茹でたパスタをそこにいれました。

 それをお皿に盛ったあと、塩こしょうとスパイスをまぶした鶏の胸肉を蒸し器につっこみました。蒸し器なら炎は上がりません。安全。

 でも、どれくらい蒸したらいいのかわかりません。半生だったらどうしましょ。

 このあとは、蒸したお湯でスープを作る予定です。普段の二十倍くらい料理っぽいことをしています。空腹の力はすごい。


 今日はこれくらいにします。また明日です。いただきます。おやすみなさい。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る