6がつ 2にち 「かみなり」
六月二日 晴れ 風が強かった
変化に乏しい茶々瀬の日常を、読み物として鑑賞に堪え得る形まで整えるために、あれこれ細かな出来事を拾ってはそれらしく書いているわけですが。それも近いうちに力尽きるのだろうと思っています。そうなったら、そのうち前日の内容をコピーペーストしてアップロードするようになるかも知れません。
ひとまず今日はまだ大丈夫そうなので、頑張って書きます。
朝は、お仕事に行く途中の道で、ハトが地面を歩いていました。気づいたら、あしもとにいました。茶々瀬がぼーっと歩いていたからです。茶々瀬をちらちら見ながら、でもなかなか逃げませんでした。つかまえられるところまで行くと逃げちゃいそうだったので、しゃがんでじっと観察しました。ハトも茶々瀬を観察していました。
あと、ウグイスの鳴き声を聞きました。近くで鳴いていました。よぅく探したかったけど、あんまり探せませんでした。ほかのひとにヘンな目で見られそうだったからです。それは恥ずかしいです。だから見つかりませんでした。遠くまで響くきれいな声でした。
お仕事では、茶々瀬の部署の紹介資料を作って、と言われました。パワポで、三分で収まるものだそうです。ここのところ、ぼんやりお仕事をしていたので、ちょっとやる気が出ました。頑張ります。
帰りは、また違う道で帰ってみました。日記に書くことがなくなりそうだからです。ぜんぜん知らない道だったので、迷子みたいになりました。知ってる場所なのに、ずっと遠くに来たみたいでおもしろかったです。いっぱい迷って、いきなり知ってる道に出たら、くらくらしました。でもちょっと安心しました。この感覚は好きです。
北の空に、大きな大きな入道雲が出ていました。濃い橙が端っこに強くあたって、とっても硬そうに見えました。その後ろが影になって、影と光の境目が青い空にまっすぐ線を描いていました。
そのあと、夕日が赤くなって、雲も赤くなりました。端っこだけ光っていたので、燠になった炭みたいに見えました。あと、光が当たらない灰青色の入道雲のお腹で、雷がぴかぴかしているのも見ました。茶々瀬の真上は青空なのに、向こうでは雲の中が光っていて、不思議な心持ちがしました。風が強くて、その大きな入道雲がずんずん空を進んでいました。自然って大きいな、とても敵わないな、と思いました。
そんなふうに、歩きながらじーっと雲を見ていたら、眩暈がしました。車酔いになったみたいに、気持ち悪くなりました。じっと見過ぎました。ひとって自分で歩いているだけで酔うんだなって思いました。
今日は、これくらいです。明日はなにか楽しいことが書けるといいなと思います。いまこれを読んでくれているひとにも、明日なにか楽しいことがあるといいなと思います。また明日です。
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