rap music
@N_tokyo
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「おはよう!」
リビングの扉を開けて私は今日も大きな声で挨拶をする。
母さんがよく褒めてくれたっけな。あなたはいつも元気ねって。
でも誰も返事をくれない。みんな気づいてるはずなのにいつも黙って朝ごはんを食べている。きっと今日も気分が悪いんだろうな。ほら、浩二君なんて飲んでいる味噌汁を溢しそうなくらいガタガタ震えている。目の下に濃い隈までできてるし、最近は帰ってくるのも遅いから心配だわ。
そういえば今日は美沙ちゃんがいない。まだ寝てるのかしら。そう思いながら私はトントンと足音を立てながら2階に向かう。美沙ちゃんは案の定布団を頭から足まですっぽり覆って寝ていた。
「美沙ちゃーん 早く起きてよー!」
私がそう言ってもまだ起きない。よく見るとかぶっている布団が小刻みに揺れている。なんだ、起きてるじゃない。
安心した私は自分の部屋に戻る。私の部屋は1階の角だ。最初は浩二君も同じ部屋だったのにすぐに2階に行ってしまった。少し寂しいけど仕方ないよね。私の部屋に着いた途端、すごい睡魔に襲われた。今日もいい夢を見れますように。
「ねぇ、やっぱり引っ越しましょうよ。あたしもうイヤよ、こんな家」
「そうはいってもなぁ...まだローンだって残ってるし...」
「何かできないの?お祓いとか...除霊とか......」
「この前行ったんだけどさぁ、そこの住職から放っておくしかないって言われたんだよな」
「何なのかしらね…アレ。朝起きたときとかトイレから出たときにいるじゃない、付きまとってくるっていうか」
「ラップ音っていうの?あれもひどくて眠れないし」
「わかんないけどたまに何か言ってるよな。俺たちの名前とか「お母さん」とか」
「とにかく早く引っ越しましょう?もう耐えられないわ」
また出て行っちゃった。私を置いて。みんなおいて行ってしまう。なぜ、なぜ置いて行ってしまうの。お母さんと同じなのね。許さない
許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない
「きょう未明、○○市の道路で金沢浩二氏とその妻である金沢美沙氏が遺体で発見されました。通報された方によると「すごい音がして目が覚めた。何かと思い外を見ると男性と女性が倒れていた。」とのことです、警察では音の原因も死亡原因も不明、何らかの事故だとして調査を行う方針だそうです。続いては俳優の......」
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