第27話 close

「つんちゃん!」

トイレの入り口の方から、千隼君の焦る声が聞こえる。

しかも、こっちに向かって走ろうとしている。

確かに、個室に入ってしまえば“出口”は一つ…

でも、それが良いの…


そんな事を少し考えていると、もう化け物は目の前…勢いよく泳いできてる。

私と化け物の距離まで後

五歩


三歩


一歩

「せーの!」

グジャッ

私は“何か”が襲ってきて近づいて来た瞬間ドアを閉めた。

「○♪〆※#〃!!!!」

当然勢いよく来た“何か”は私の急な行動に対処できず、そのままトイレの扉に衝突したような鈍い音がトイレ内に響いた…

上手くいったのだろうか?

ドアを開けて確認してみると“何か”は衝突した衝撃で気絶してしまったようだ…

「やった!」

計算どうり!私だって、やればできた!

そんな光景を女子トイレの入り口付近で見ていた二人は足を止めて…“何か”に対して慈悲をかけていた…

「……あれは痛いですね…」

「いったそ……」

二人して顔が引き攣っている…

そんなに?引き攣るような事かな?

まぁ、良いや…早く二人のところへ、移動しないと…

私は急いで二人のいる方へ走ろうと“何か”を、跨いで行こうとした“が”

残念ながら動くことが出来なかった…


“何か”が起き出したからだ…

しかも、私の足を掴んでる…

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