第279話 服装選び
服装選び
一夜が明け、いや水中なので日の光が当たらなければ朝なのかそれとも夜なのかすらもわからない。
マーシャには魔法で作成した時読みの指輪、厳密には時間が分かるように指輪に取り付けた魔石に付与された各種魔法だが。
その効果によって朝6時には時間を知らせてもらえるようにしてある。
ちなみに朝6時、この設定は生前 晴乃香が朝練をするときに設定していた時間だ。
ほぼ毎日特別な事が無い限りマーシャは朝6時に目覚めるようにしていたりする。
《朝か…》
《う~ん》
ややひんやりとした空気の中で目覚める、床は湿っている為歩くのは気を付けないと滑ってしまう可能性がある。
柔らかい海藻で作られたベッドは暖かくそして体を包み込む、但し少し湿ってしまう所が難点だ。
海上から200メートルは潜った海の底だと言うのに息ができるのはありがたい、彼ら(海竜族)も一応寝る時はこうやって海水を排除して就寝するそうだ。
マーマンと海竜族との違いはそう言った所なのだろう、外見は魔法で繕っていても魚人族とは違う種族であることの証。
《おはようございますお二方》
《おはよう》
《おはようございます》
《すぐ朝食になりますので準備が出来ましたらお声がけください》
《分かった》
マーメイドの一人が知らせてくれた、多分朝食も魚なのだろうなと思いつつ昨晩と違う物を期待していたりする。
《今日はバトルドレスを着た方がよろしいでしょうか?》
《うぬ、一応その前にインナーはこれを着てみようと思う》
《なんですかこれ?》
《ビキニと言う水着じゃ》
それは生前ならば夏どこの浜辺でも見る事が出来た水着であり、やや面積の小さい物から少し広めのものまで色とりどりに用意されていた。
《これは下着のような…》
《水着じゃ、下着はこのように少し違うじゃろう》
《本当です内布と布の厚みが違いますね》
《一応水中での動きやすさを考えて魔法も付与してある、まずは色と形を選んでくれぬか?》
そう言うとやや露出度の高い上下別のビキニを手に取り自分の体に合わせてみる。
《こ これでしょうか?》
部屋の壁に掛けられた水鏡を見ながら何着か選ぶ、少し恥じらう所が初々しい、どうやらロキシーは薄紫のビキニを選んだようだ。
《では妾はこれにしてみよう》
マーシャはピンクとイエロー柄のビキニ、こちらはやや幅広めなので露出度はロキシーより少なめだ。
《その上からバトルドレスを着るのじゃ》
実は斑蜘蛛のインナータイツは水の中だと効果が半減してしまう、防御力は高いのだが水中でのスピードやアジリティそして魔法のアシストが半減してしまうと言う欠点がある。
《確かにこの方が水中は動きやすそうです》
《用意できたか》
《はい》
《では海王の元へ参ろう》
マーメイドの女中を呼ぶと昨日宴の催された部屋へと移動する。
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