第7話 天使堕天使ダメ天使

天使堕天使ダメ天使


天使が受け持つ転生者の付与スキルは生活関係スキル以外は唯一無二の場合が多い。

そう特殊なスキルは2つとないため同じスキルの付与ができないということ。

次の転生者に先ほどの男性が持つスキルを捕食してもらえればまた新たにほかの転生者に実験用のスキルを付与しなおせる。

天使はそう考えた。


「三つ木様おめでとうございます、特別にいくつかのスキルをプラスして転生することができますよ」

「今いきなり、対応が変わんなかったか?」

「いえいえそのようなことはございませんよ~」

「何か企んでるなら最初に言っとけよ、後でわかったらしばきたおすからな!」


天使は考えたこの魂でよいのかどうか、だが違う魂では付与するスキル数が違ってくるだけでなく、2つの魂にはそれなりの理由があるのだ。

よく言われる赤い糸とか、この場合は赤くない糸 呪縛に近いが。

なので転生した先で相手を補足することに適している可能性が高い。

多少素行が悪くてもこの魂にかけてみるのが、一番問題を早く解決できる可能性がある。

できるだけ早く失敗を隠滅することが今一番の重要事項。


「実は…」


天使は面倒なので話すことにした、間違いは誰にでもある天使だって完ぺきではない。

目の前にいる魂は事前調査でのデータは最良(たましいがきれい)と出ていたはず。


「ということなのです、もちろんこちらの不手際なのでできるだけ善処させていただく所存です」


「そっか…しかたね~な、それでどうすんだ?」

「できればその対象者のスキルを回収できればと思っておりますが、それをするにはいくつかの問題がございます」

「そんで、問題ってなんだ?」

「まず他の魂では補足するのが難しいということ、そしてスキルをたくさんプレゼントしなければならないこと」

「要はその魂を補足するなら最初にこうなったもう一つの魂、うちのことだな。にした方が良いというのと沢山スキルを付け足すのも他の魂では余分に付け足さなければなんねえってところか?」

「そ その通りです、お話ししておいて正解でした」

「それでどうしたらいいんだ?」


「話に乗ってくださるのですか?」

「困ってるんだろ?」

「はい、ですがそれはこちらの落ち度ですので、強要はできません」

「面倒だが、うちが断れば他人にさせることになる、それは話が違うよな」

「はあ 他人ですから何のつながりもございませんね」

「だがそいつは俺の頭の上に落ちて来たやつなんだろ」

「はいそうです」

「縁っていうやつか、いいぜやってやるよ」

「本当ですか、ありがとうございます」

「それで実際の話、どうすればいいんだ?」

「まずは必要だと思われるスキルを100ほどプレゼントします」

「そんなにくれんのか? いや使えないスキルばかりじゃ100でも意味ねえか」

「もちろん必要なスキルばかりです、それに通常の転生ではつくことのないスキルも差し上げます」


「まじ?」

「で具体的なリストはあんのか?というよりスキルってことをもう少し聞かせろ」

「では少し詳しくお話しします」

「生き物はすべてスキルで行動しています、生きるスキル動くスキル食べるスキルなど、それらがどんどん増えていくことで生物は一生を暮らすことができるのです」

「そして人族は一番多くスキルを持っています、死ぬまでにスキルは数万いや数千万というスキルを所持する方もいます」

「要は生き物が行動することは全てスキルによる法則に従っているということか?」

「その通りです」

「基本的なスキルはわざわざつける必要はなく、すでにお持ちなので。それ以外で100以上プラスいたします」

「ちょい待ち、そうなると100個わざわざ提示してもあまり意味ないな、それよりプレゼントしてくれる特殊なスキルを教えてもらった方が早い」

「では付与される特殊なスキルをお教えします」


能力捕食スキル(他人のスキルを取りこむ、※今回捕食と同化スキルに関しては捕食したと同時に無効化される、)


「まずはこのスキルが重要ですね、相手を見つけてもスキルの回収をできなければ意味がございませんので」

「ああ確かに」

「さらにこちらのスキルもお付けします」


検索スキル(他人の能力や今いる場所さらに敵となる生命体を検知できる)

拘束スキル(相手の身動きを封じる、※魔法スキルの修練度合いに準ずる後天的スキル)

魔法スキル(各種魔法が使える、魔法が使える世界でのみ有効※パッシブスキル)

予知スキル(レアスキルの一つ、このスキルは一つの星で一人のみ所持できる)

隠匿スキル(人に知られず行動できる、※後天的スキル)

魅了スキル(人に好かれる、※後天的スキル)

速足スキル(足が速い、※後天的スキル)

語学スキル(どの国の言語も話せる理解できる※後天的スキル・パッシブ)

健康スキル(体が丈夫※パッシブ、一部スキルとは同時取得できない・闇スキルと併用不可)

記憶力スキル(記憶力が良くなる※後天スキル・パッシブ)

美形スキル(文字通り外見すべて美しい※パッシブ)

生活スキル全般(料理から掃除まで※パッシブ)

天界交信(神の下僕と交信できる※天使の都合による)


※後天スキル(後から発生するスキル)

※パッシブスキル(常に発動している)

※闇スキル(不死属性、ゾンビグールワイトレイス悪魔などが持つマイナス要因のスキル、聖属性のスキルで相殺できる)

※一人のみ(一つの世界で所持できる人数が決まっている場合、数に限りがある)

※条件付き後天スキル(ある環境下でのみ後から発生する)


「これらが特殊スキルになります、」

「なんかすげースキルもあるな、だがこのぐらいはつけてもらわないと探すのも難しいのか?」

「はい対象のスキルを回収するため何年かかるかわかりませんので」

「それで自己スキル捕食と自己スキル同化だっけ、これだけスキル付けるんだ仕事としての難易度はかなり難しいと見たが?」

「三つ木さま言葉使いのわりに詳しいですね」

「ああ言葉使いは遺伝だな、兄貴も親父もヤンキーだったからな」

「はあそれで…」

「でも勉強はいつも1位だぜ、負けんの嫌いだから」

「納得です」


「それでまさかスキル沢山付与して、それだけで済むとは思えねーんだが?」

「はい問題もございます、間違って付与され転生した方の魂ですが、本来自殺をした方なのでマイナス要因のスキルは削除するはずだったのですが間違えてスキルを足されたために、自殺系のマイナススキルを削除していないのです」

「それにどんなマイナス効果が?」

「マイナス要因も様々ですが、まず自殺のみなら良いです、中には責任転嫁や自己中や他人を不幸にするような要因を同時にいくつも持っている方もいます」

「要は削除されなかったスキルに他人に不幸をまき散らすものがあると、私が巻き込まれたみたいにまたなるということか?」

「その通りです」

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