トールガールは魔法使いママになる!
野棘かな
第1話
○ビギニング
「お願い、私のママになって」
突然メッセージが入ってきた。
知らないアドレス
誰だよ
からかわないでよ
まだ女子高生だよ!
間違いメッセージだとしても近頃変だ。
トッツィが家にきてから
特に私におかしなことが起こってる。
トッツィは、叔母が飼っていたフレンチブルドッグだ。
一ヶ月前、叔母が亡くなった。
引き取り手のないでっかいフレンチブルドッグだけが残った。
うちは猫派で、先住の黒猫がいるけれど
仕方なくママが引き取ったのだ。
仕方なくなんて薄情と思うかもしれないけれど、とにかくでかいのよ。
肉とかたくさん食べるし、その食事作りには結構時間がかかるのだ。
叔母がいつも大量の食料品をまとめ買いして、フレンチブルドッグトッツィ様のお食事を作り置きしていたのを覚えてる。
メッセージのことはすぐ忘れてしまった。
数日後、その日もチクチクと身長のことでからかわれた。
て、いうか、イジメだ。
高い所から見てんじゃないよ
とか
胸を頭突きされたり
ま、色々
前は、助け舟をだしてくれる真紀子がいたけど、三年から下の階のクラスに別れたので、そうそう駆けつけてくれない。
少しボロボロ気味で
「ただいま」
と玄関ドアを開けると
トッツィが四本足を踏ん張って仁王立ちみたく立っていた。
あ、何だコイツか、みたいな顔をして
ふんと横を向き、トコトコと後ろ向きになると、またトコトコ奥へ行ってしまった。
その勇姿をぼーっと見てた。
ま、とにかく愛想のないヤツだ。
なんだよまったくトッツィめ
よーし、ストレス解消にからかってやる
と、カバンを置いて着替えると
リビングに降りて、トッツィを探した。
ソファの向こうで腹這いになっている。
寝てるようだ。
「トッツィ」
名前を呼んでも反応なし。
いつものことだけど、今日は粘る。
頭を撫でる。
動かない。
体をラインに沿って撫でる。
薄っすら目を開ける。
「あそうだ、トッツィ写メとろうよ」
携帯を持ち.横に寝そべり
「撮るよ」
一応了解をとって、カシャ。
「うまく撮れたかな」
画像を見る。
あれっ、あれー
意味がわからない
トッツィの頭に角がある。
さっき撫でたあたり
真ん中に一本
ユニコーンもどきだ。
トッツィを見る。
角なんてないじゃん。
ない。
でも、写ってる
え、なぜ?
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