この光景を待ち望んでいた
千蘭
第1話 朝練がある日の登校は
最近、練習量が増えた気がする。やっぱり大会前だからかな。学校までの道を歩きながらこれからの練習メニューを思い出し、私はうげぇと顔を顰めた。さっきより重くなった足を必死に動かしながら、いつのまにか目線の先に現れた学校を目指した。
私が所属している陸上部の活動場所は、朝の冷たい空気がただようグランドだ。朝早くに起きて学校に来ただけでも褒められるべきことなのに……。夏と呼ばれる季節になったとはいえ、朝はまだ冷える。そんな中で走らないといけないなんて。思わずため息をつきかけた時、後ろから名前を呼ばれた。
「
「はいはい。
「おはよう!」
子犬みたいに追いかけてきて、隣に並んだのはこの学校で一番仲が良い
そして門をくぐると、
「蓮ちゃ〜ん! 雅ちゃ〜ん! おはよ〜!! 陸部も朝練?!」
大声で呼ばれてしまった……。まだ屋外なんだけどな。返事しづらい。どうしよ。あ、
「
雅、返事しちゃったか〜。しかも澪音に負けないくらいの大声で。そのまま駆け寄って行ってるし。しょうがないか。すでに引き止められないくらい遠くに行った雅を追って、私も走り始めた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます